『ミステリと言う勿れ』(2023)
2024年 03月 18日

代々の遺産相続の際に必ず死人が出るというものだった。
開封された遺言書には、当主の孫にあたる汐路、理紀之助、新音、ゆらの4人の相続人がお題に従って謎を解くことを求め、それを果たした者が全てを受け継ぐと記されていた。
原作未読でテレビドラマ版も未視聴。
ただ予告編などを見て、何となく面白そうだなと感じていたので予備知識なしで鑑賞。
劇中で『犬神家の一族』の名前が出てくるが、横溝正史ばりの旧家の遺産相続に纏わる殺人事件が起きるし、探偵役が風采の上がらない変人というのは正に金田一耕助の現代版。
余談だが、菅田将暉はそのまま金田一耕助も行けそうな気がするのだが…。
閑話休題。
深読みし過ぎたせいか、早い段階で目星をつけてた奴が予想通りの犯人だったが、前半で起こる事件・事故は一旦解決を見せるが本筋とは無関係で、その後で真の事件の謎解きが始まるという構成には捻りがある。
ラストのネタばらしも含めて2時間は飽きさせず、見応えのあるものになっていた。
監督は松山博昭、他の出演は松下洸平、町田啓太、萩原利久、柴咲コウ、永山瑛太で、それ以外にも脇で鈴木保奈美、松坂慶子、松嶋菜々子あたりがいるのが贅沢だ。
そしてヒロインの原菜乃華が可愛い。

その理由が小説だと難しいので、マンガ原作のミステリだからこその物なのかもしれない。まあ「本陣殺人事件」のトリックのように、こんなん小説で描写するのめんどそうというのも色色ったりするけど。
確かに殺人の動機が弱いと思いました。
例えば正妻の子だけ残して妾の子を排除するとか、あるいは逆に父親が違う子が出来て…とかいうのならまだわかりますけど、この場合同じ母親から生まれても差が出ちゃうわけだから運不運でしかない気がするし、たまたまその世代にこの特徴を持つ子供が生まれなかった、ということでもない限り、ずーっと続く訳ですし。