『オーケストラで楽しむ映画音楽XV』
2024年 04月 07日

指揮はもちろん秋山和慶、ピアノ(とヴォーカルとして)宮本貴奈が加わり、ゲストには佐藤竹善(ヴォーカル)と幸田浩子(ソプラノ)を迎え、管弦楽は東京交響楽団、ナビゲーターの中井美穂とお馴染みの顔触れで開催されました。
前半は、映画の舞台となった街を音楽で巡り、また映画音楽界の巨匠たちを偲んで不朽の名作たちをお届け。
後半は、映画化もされた大ヒットミュージカルをテーマに、クラシック音楽とのつながりを紐解いていくという趣向とのこと。
「映画と巡る街」、まずはR.ロジャーズ『サウンド・オブ・ミュージック』メドレーから。
サウンド・オブ・ミュージック、ドレミの歌、私のお気に入り、エーデルワイス、すべての山に登れ、が演奏されました。
有名な曲がズラリと並んでいて個人的にも好きなメロディが多いのですが、よくよく考えるとこれら代表的な楽曲は、映画の本筋にはあまり関係ない場面で流れますねえ。
続いてE.モリコーネ:『ニュー・シネマ・パラダイス』からメインテーマと愛のテーマ。
それからH.マンシーニ:『ティファニーで朝食を』からムーン・リバー、M.スタイナー:『風と共に去りぬ』からタラのテーマ、J.ウィリアムズ:『ハリー・ポッター』からハリーの不思議な世界、と続きます。
「ムーン・リバー」は幸田浩子のヴォーカル。
相変わらずチャーミングですが、ルックスだけじゃなく声も好きなんですよね、彼女。
それにしてもマイクを使って歌う彼女って珍しいかも。
次のコーナーは「映画音楽の巨匠~坂本龍一&バート・バカラック~」。
坂本龍一は『戦場のメリークリスマス』からMerry Christmas Mr.Lawrence、それに『ラストエンペラー』からテーマ、の2曲。
坂本龍一が”映画音楽の巨匠”という括りなのは、個人的には違和感ありありではあります。
バート・バカラックはメドレーで、『明日に向って撃て!』から雨に濡れても、『アルフィー』、『007/カジノ・ロワイヤル』から恋の面影、ホーム、ジェイムズ、アンド・ドント・スペア・ザ・ホーセス、『バックマン家の人々』他挿入歌として遥かなる影、『ミスター・アーサー』からニューヨーク・シティ・セレナーデ、『禁じられた家』からア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム……とプログラムには書いてあるのですが、実際は『カジノ・ロワイヤル』と『アルフィー』は順番逆に演奏されました。
「遥かなる影」や「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」がバカラックの曲だとは知りませんでしたね。
前者はカーペンターズ、後者はクリストファー・クロスというイメージしかなかったですから。
「遥かなる影」は幸田浩子の歌唱で。
休憩を20分挟んで、後半は「クラシック音楽にゆかりある、映画化された大ヒットミュージカル!」と題されています。
G.プッチーニ:歌劇『ラ・ボエーム』から私の名前はミミ、この曲はいつも通り(?)マイク無しでの幸田浩子の歌唱。
そして聞き比べてとしてJ.ラーソン:『RENT』からシーズンズ・オブ・ラブ。
こちらは幸田浩子と佐藤竹善のデュエットですが、そうか、『RENT』って『ラ・ボエーム』を下敷きにしていたのかあ。
次はN.ロータの『ロミオとジュリエット』から愛のテーマと、L.バーンスタイン:『ウエスト・サイド物語』からシンフォニック・ダンス。
シンフォニック・ダンスは20分以上の大作。
ただこのセレクションには「マリア」とか「トゥナイト」といった有名曲は入ってないんですよね。
それにしても「ロミオとジュリエット」は良い曲だなあ。
トータルで約2時間半のコンサート、そのアンコールは「星に願いを」でした。
開演に先立ちプレトークが行われ、前半が秋山和慶と宮本貴奈、後半が幸田浩子と佐藤竹善。
ミューザって音の響きが良いだけに、トークの時は喋ってる内容がよく聞き取れないことがありますね。
それに去年も感じましたが、正直秋山さんが言ってる内容がヒアリング出来ず…でした。
また宮本貴奈のヴォーカルも少々聴こえ辛い…ということはマイクのセッティングか何かの理由でしょうかね。
今回は知らない曲も幾つかありましたが、ゲストが幸田さんだからという理由でチケットを確保。
去年は『組曲 宇宙戦艦ヤマト』など取り上げてくれましたが、来年はどうでしょう?
プログラム次第でまた足を運ぶかもしれません。
