『スカイキャプテン/ワールド・オブ・トゥモロー』(2004)
2004年 12月 07日
古めかしくも新しい、レトロ・フューチャー感覚に溢れた快作で、主演二人の端正な、どちらかというと古風な顔立ちも作品にマッチしている。
この作品の特徴はセットを作ったりロケを行わず、役者にはスタジオのブルースクリーンの前で演技させ、それを最新テクノロジーを駆使してコンピューターの絵と合成しているということ。『スター・ウォーズ』の<新三部作>でも同様のテクニックは使われているが、全篇これで押し通したのは初めてだろう。その分撮影日数は短くて済み、予算もかなり抑えられてたようだ。聞けばこの監督は、たった一人で一台のパソコンを使い、4年もの歳月をかけてコツコツと作り上げた6分間の映像が認められ今回メジャー・デビューを果したというから、筋金入りの”ヲタク”。こういう作品を見せられると、遠からずたった一人で長編大作映画を作ってしまう才能が必ず現れるだろう、と確信してしまう。
ハイテクといえば、故ローレンス・オリビエの若き日の映像を、遺族の許可を得て大胆に使用しているのにも驚く。
この監督の次回作はエドガー・ライス・バローズの『火星のプリンセス』に決まったようだが、その次には是非ともこの作品の続編を望みたい。
原題: Sky Captain and The World of Tomorrow ジャンル: アクション映画 製作年: 2004年 製作国: アメリカ/イギリス 本編分数: 107分 1939年。万国博覧会が開催されるニューヨークでは、科学者の連続失踪事件が続いていた。エンパイ...... more
1939年、アメリカは戦争の真っ只中にあった。 空には無数の戦闘機があちらこちらと飛び交っていた。 時代は20世紀前半のはずなのにどこか未来的であった。 ジュード・ロウは言う,「レトロ・フューチャー」と。 まさに文字どおり,映像の色使いや出てくる人物や町などの背景は文明開化したばかりというふうなのだ。 アニメーションの中には登場人物が溶け込む、むすろ精巧なCGアニメーション・ゲームさながらの映像美があった。 夢の中で見るビジョンのような 淡く,少しぼやけたカンジでも幻想的なものだった。 違和感が...... more
ジュール・ヴェルヌとかH・G・ウェルズとか、バロウズとかハワードとか、そんなレトロな作品を題材に撮らせてみたいもんですがねぇ。