『姑獲鳥の夏』(2005)
2005年 08月 08日
主人公が古本屋の店主で、安倍晴明ゆかりの神社の神主(現代版の陰陽師?)で、なおかつ”憑物落とし”という設定も「?」だが、その友人には他人の記憶を見ることが出来る私立探偵がいて、という世界は、一見おどろおどろしいものの正当なミステリー・サスペンス物なのか、それとも妖怪やら魑魅魍魎が跋扈する妖しの世界を描いた作品なのか、一体どっちなんだろうか?
監督が監督なだけに端からカルト作品になることは決定付けられているようなものだが、横溝正史モノみたいに「呪いだ!」「崇りだ!」と騒ぎつつも、所詮はトリック有りの人間の情念が生んだ事件なのかと思いきや、結局は超常現象が絡んできているようでもあり、クロスオーヴァーといえば聞こえはいいけれど、なんだかどっちつかずの印象。これならしっかりと妖怪変化でも出して、キワモノに徹してくれた方が面白かったかなァ、なんて考えてしまったくらい。
原作知らずして、勝手に『帝都物語』+『陰陽師』のような世界観を期待してしまった自分がいけないのだけれども。
映像的にはゲイジュツ映画というか、ジッソージっぽいというか、美術の頑張りもあって不思議な画面作りには成功しているし、意外や原田知世がキレイだったなぁという収穫もあるのだけれど(個人的に『時をかける少女』以降、あまり魅力感じてないもんで)、じゃあ面白いのかというと・・・ちょっとギモン。
何だかよくわからなかった、というのが正直なところで、これはちゃんと原作を読まなきゃいけないということかなぁ。
あと不満といえば堤真一の台詞回し。長台詞も多いのだけれど、聞いていてちょっと辛い箇所が幾つかあり。
それでも、もしシリーズ化が実現したならば次も見に行く可能性は大である。DVDも・・・買っちゃうかも?
昼間の上映のを観に行きましたが館内は満員御礼状態で、こんなに人気あるんだ京極と思ってしまいました(笑)一応、原作は読んでますが、もう何年も前のことなのですっかり内容は忘れております。ちなみにこのシリーズで私が一番好きなのは「魍魎の匣」だったり(笑) もとからさほど期待してなかったこの作品、見終わった後「やはりね」と思わずにはいられませんでした。これならテレビドラマでもいいんじゃないでしょうか。ノリが金田一耕助シリーズとか江戸川乱歩ものといった感じで、雰囲気とかはよかったですけどね。 前段階で配役が発表...... more
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コチラの「姑獲鳥の夏」は、京極夏彦さんの大人気シリーズ"京極堂シリーズ"の1作目にして、デビュー作である同名小説を無謀にも映画化してしまった妖怪ミステリーです。 監督は、「無常」の実相寺昭雄監督ですので、昭和20年代の怪しげな雰囲気は非常に出ていたと思う...... more
原作を知らないで観たので、登場人物たちのキャラクターや関連性がイマイチつかめなかった作品でした。 どうやら原作ファンの為のファンサービスのような映画だったように思われ。。。 原作者の京極夏彦もチラッと出てるし。 それ以上でも以下でもない作品になってしまったのは... more
何度も何度も「あれ?どこまで読んだっけ?」と読み返したり、長い台詞は本質は何を言いたいんだ?と一生懸命読まないとほんとに言いたいことがわからなかったり、かなりの読解力を要しますが、読んでいると面白いです(笑)
原作ファンの私が驚いたのは、あのわかりにくい世界をこんなに簡単に映像化できちゃったなんてスゴイ・・・でした(^^;
さすが実相寺監督、すばらしい♪
原作に興味をもたれたのでしたら、読んでみてもいいと思います。ツボにはまれば京極ワールドにとりこまれてしまうんじゃないかしら?
日本じゃあまり例がないですけれど、TVのミニシリーズなんかの方が良いのかな。