『オペレッタ狸御殿』(2005)
2005年 05月 29日
しかし出演者の顔触れを見て、大いなる期待を寄せてしまったのが大間違いだった。舞台の書割のような平面なセット、奔放なイマジネーション溢れるというよりも、行き当たりばったりで投遣りな印象さえ受ける編集等々、作り手は面白いと思ってやっているのだろうが、見ている方は感情が寸断され、思考停止状態に陥ってしまうのでちっとも楽しめやしない。それに、”オペレッタ”というのは”喜歌劇”とも訳されるくらいハッピーエンドが定番なのに、この結末では納得いかないね。実に勿体無いことである。
よって見所はチャン・ツィイーのみ! 最初カタコトの日本語喋り出した時は、全篇こんな調子かと愕然としたもんだったがトータルではまぁまぁ。あとは薬師丸ひろ子が意外な拾い物だったくらいか。
この作品のアピール・ポイントに、美空ひばりの<デジタル出演>というのがある。この<デジタル出演>、てっきり過去の出演作品から適当な映像を抜き出してデジタル合成しているのかと思いきや、CGで姿も声もゼロから作られたものだというから驚きである。しかし台詞もあって歌も”披露”してくれていて、その技術力の高さをアピールしてはいるものの、結果的には下手なタレントの中途半端なモノマネ演技を見せられているような気がして落ち着かない気分にさせられるのはどうも・・・。
ーオペレッタ狸御殿ー 2004年 日本 鈴木清順=監督 チャン・ツィイー(狸姫)オダギリジョー(雨千代)薬師丸ひろ子(お萩の局)由紀さおり(びるぜん婆々)山本太郎(駝鳥導士)高橋元太郎(家老狸)パパイヤ鈴木(次郎狸)篠井英介(弥助)市川実和子(コメ)平幹二朗(安土桃山)美空ひばり(光の女人) 【解説】 チャン・ツィイーとオダギリジョーが共演した、巨匠・鈴木清順監督によるオペレッタミュージカル映画。劇中に登場する美しい衣装の数々に目が奪われる。デジタル出演している美空ひばりも見逃せない。(シネマトゥ...... more
だいたい同じような感想だったみたいですね。
こちらからも、TBさせていただきます。
いらっしゃいませ、コメント&TB、有難うございました。
そちらの書き込みを拝見させていただき、ああ、やっぱりそう考える人がいるんだなぁと思った次第です。
自分にとっては意外なほど(?)、この作品を評価している人が少なくないもので・・・(苦笑)。