『シンドバッド/7つの海の伝説』(2003)
2005年 07月 24日
ドリームワークス社製の長編アニメーション作品で、プロデューサー曰く『アラジン』や『ターザン』に対抗した冒険モノとのこと。
身勝手ながら憎めない悪漢シンドバッド、男勝りの行動派マリーナ、”良い人”すぎるプロテウス、そして意外に子どものシンドバッドに対して、実は大人の集団ともいえる海賊たち、さらには悪役というよりもいたずらを楽しむ体のエリス、となかなか魅力的なキャラクターも揃え、ストーリーのテンポも快調、音楽も「どこかで聴いたような」ノリはあるものの画面を盛り立て、2DとCGを駆使した3Dとの融合もまずまずの、未公開がもったいない作品。
というより、2004年のお正月映画として公開が予定されていながら、何故かお蔵入りになったという曰く付きの作品である。予告編を見たときは「ちょっと面白そうだな」と公開を楽しみにしていたのに、待てど暮らせど映画館には掛からなかった。

ただ、ブラッド・ピット、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ミシェル・ファイファー、ジョセフ・ファインズら豪華なボイス・キャストを揃えながらもアメリカ本国での興行が惨敗に終わり、以後ドリームワークスが『シュレック2』、『シャーク・テイル』、『マダガスカル』といったCGを使った3Dアニメ以外の製作を事実上中止してしまったことも、日本公開が取りやめになった原因かもしれない。
日本人なら『走れメロス』を連想しそうなストーリーだが、ちょっと気になるのはシンドバッドとマリーナの関係。
シンドバッドの反応からすると明らかにマリーナとは旧知の間柄に見えるのだが、マリーナ側の反応はゼロ。また、共に同じ未来を見ていたはずのプロテウスとシンドバッドが袂を分かつ原因の一つにこのマリーナの存在がありそうなのだが(プロテウスとマリーナが婚約したから、シンドバッドは出奔した?)、その辺りの説明は一切なされなかった。
そして友の生命を救った代わりに、友の大切な宝を奪ってハッピー・エンドという結末も今ひとつ納得行かない部分もあるのだが、1時間半飽きずに楽しめる快作だ。でも主人公がシンドバッドである必要性は全く感じられない。

A+ 面白い A ↑ A− B+ B 普通 B− C+ C ↓ C− つまらない 『評価』 B+ (演技3/演出3/脚本3/撮影4/音響3/音楽3/配役3/魅力3/テンポ4/合計29) 『... more

ミシェル・ファイファーがとても良かった!そのセリフ回しに気分が盛り上がりました!女性版オーソン・ウェルズみたいな感じなんですよ。もう彼女のおかげで、この物語が何倍も面白かった。魔女(ミシェル)の登場シーンにワクワクしたし、シンドバッドの冒険も子供心をくす...... more