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『エイリアン』(1979)

宇宙貨物船ノストロモ号は、知的生命体からと思われる発進信号を受けて未知の惑星に降り立つ。
そこには異星人の宇宙船があり、調査に向かった乗組員たちは船内で無数の卵を発見するが、乗員の一人が卵から飛び出した奇怪な生物に襲われ、顔面にそれが付着した状態で回収される。
やがてその生物は死んだかに思われたが、実は体内に幼体が産み付けられており、成長した生物は乗員を一人一人襲っていく…。

『エイリアン』(1979)_e0033570_2244363.jpg公開は1979年の夏。
20世紀フォックス社が『スター・ウォーズ』に続いて放ったSF超大作で、下手に亜流作品を作ることなく、ベクトルを思いっきり違う方向へ振ったのが成功の秘訣でしょう。
といっても怖いのが苦手なのでその当時は見に行く勇気がなく、その夏は対抗馬(?)の『スーパーマン』しか見てません。
TVで放映された時も気になりながら見ることが出来ず、結局見たのは三年後に名画座で二本立てになった時でした(シリーズ4作中劇場で見ているのはこの1作目のみ。ちなみに併映は『007/ユア・アイズ・オンリー』)。
その時の印象は、SFXシーンは良かったけれどやっぱり怖いの嫌い!というもので、「まだ30分か」とか「あと1時間もあるよ」と時計と睨めっこしながら耐えていたものです。

今回久々に見なおしてみたんですが、ストーリーが判っていることと、家でビデオを見ているという安心感からか、案外面白く見られました。
まず展開が非常にゆったりしているのに驚き。2時間弱の映画ですが、エイリアンの卵が発見されるまでが30分、そしてエイリアンが誕生して暴れ出すまでには1時間、約半分近くかかっています。
それまではノストロモ号船内の日常がきっちりと描かれているのです。
これといって大物スターが出ているわけでもなく、美男美女揃いでもないので、誰が助かり誰が犠牲になるのか先が読めないハラハラドキドキというタイプの作品ですが、このテンポのおかげでじわじわと恐怖が忍び寄ってくるという感じになっています。
当時はこの展開にダルさを覚えたんですが、昨今のハイテンポな映画に慣れるとかえって新鮮ですね。
そしてこの日常空間として宇宙船を捉えた雰囲気は、『スター・ウォーズ』よりも『2001年宇宙の旅』をより強く連想させます
あれも宇宙船という密室を舞台に、登場人物が生命の危険に晒されるというホラー物の要素がありますし。

『エイリアン』(1979)_e0033570_17351414.jpgまたこのゆったりした展開で改めて気付いたのは、美術の素晴らしさ。
異星人の宇宙船内部など、本当に「絵」になっています
そして、硬質でメタリックな外観でメカニカルなものを感じさせながらも、それでいながらしっかりと生物感をも盛り込まれたエイリアンのデザイン並びに造型の見事さ。
その傑作デザインを、敢えて「見せない」ことにこだわった演出の冴えもありますし。
元々宇宙を舞台にしながらゴシック・ホラーの系譜に連なる作品と位置付けられていますが、ある意味で”芸術映画”と呼んでも差し支えないでしょう。

それと意外だったのは、戦うヒロインの代名詞のように言われているリプリーですが、本作品では集団の一人という扱いなので思ったほど活躍しないことでしょうか。
ラスト・シークエンスに至るまで直接エイリアンと遭遇することはなく、その際にもどちらかというと”か弱い女の子”の面が強調されているように思えます。

Commented by chibisaru at 2007-07-14 05:48
傑作だと思います。
今見ても、何度見ても怖い・・・。下手なホラーよりよっぽど怖いです。
じわじわ押し寄せてくる怖さがたまらない。古さを感じさせない、それほど優れた作品だとも思います。めずらしくベタ褒めしてしまいました(笑)
Commented by odin2099 at 2007-07-14 08:54
ジャンルとしては苦手なんですけれど、結局DVD買ってしまいました(笑)。
おどろおどろしいというか、ヌメヌメしたような怪物って結構いますけれど、メタリック、硬質な怪物というのは画期的だったように思いますね。

『エイリアンVSプレデター』の続編は作られるようですが、本家シリーズの方はどうなるんでしょうね?
by odin2099 | 2004-12-18 23:40 |  映画感想<ア行> | Trackback(10) | Comments(2)

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