『邪魚隊』(2024)
2024年 06月 04日
鱗蔵、スルメ、鮒右衛門、比売知の4人からなる彼らに今回課せられた極秘の任務は、謎の宗教集団”お太鼓教”への潜入捜査。
江戸の街では今、人食い鬼の仕業と恐れられている人間消失事件が相次いでいたのだが、お太鼓教の教祖・安食満親は鬼から人を守る救い主と崇められている。
吉宗をはじめとする幕閣は、鬼とお太鼓教の間に繋がりありと睨んでいたのだ。
だがそんな邪魚隊の前に、行方不明の姉を探す旅を続けている一人の青年・水野平馬が現れる。
脚本:小西麻友 、監督:兼﨑涼介、出演は佐藤流司、阿久津仁愛、橋本祥平、小柳心、廣瀬智紀、高田夏帆、姜暢雄、輝馬、横山涼、吉岡睦雄、玉城裕規、石井一彰、永井大。
<東映ムビ×ステ>もこれが第6弾になるらしい。
お話は『スーサイド・スクワッド』と『スペース・バンパイア』を足して、それに『暴れん坊将軍』をまぶしてかき混ぜ、うすーく引き延ばしたような感じ。
「ならず者たちのミュージカル時代劇」、なんてコピーも付いているが、歌と踊りのシーンは愉しいより浮いてるなーとしか感じなかった。
平馬と姉の関係や、鱗蔵の過去話とか、お涙頂戴系のシリアスなドラマがある一方で、全体を茶化すシーンを入れられてしまうと、こりゃ映画を見て泣いたらいいのか笑ったらいいのか困ってしまう。
それに主人公の鱗蔵があっちへフラフラ、こっちへフラフラで弱い。
これまでの<ムビ×ステ>で一番キャラが弱い主役かも。
他の3人も決してキャラが立ってるとは言い難いし、またメインキャラを演じてる役者がみんな現代っぽい顔立ち、今風のイケメンなので、時代劇としてはちとキツイ。
江戸時代だぞ、ここ。
なので一番面白かったのが、某キャラが「貧乏旗本の四男坊」を名乗り、その登場シーンに菊池俊輔調のそれっぽい音楽がかかった瞬間だろうか。
最後に5人になった邪魚隊の面々は、そのまま夏の舞台版へスライドするようなので、そっちでは個性的な活躍を見せてくれることを願いたい。