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『ULTRAMAN』(2004)

『ULTRAMAN』(2004)_e0033570_819515.jpg子供向けではなく一般向けの「ウルトラマン」映画を、ということで作られた作品。
そのため従来なら必ず設定されていた防衛組織は排除され、時代設定も現代で主人公も空自の(元)パイロットという現実世界に即したリアルなものに設定された。
またこの主人公が、30代半ばで妻子持ちであるという設定も斬新。

物語は初代『ウルトラマン』の現代版リニューアルと呼べるもので、宇宙から飛来した赤い物体と遭遇した主人公がウルトラマンと一体化し、同様に青い物体と遭遇することで怪獣化してしまった存在と戦うというもの。
ここまでストレートにオリジナルの『ウルトラマン』をトレースするならば、ザ・ネクスト(最初に出現した怪獣=ザ・ワンに対し、劇中ではウルトラマンはコードネームでこう呼ばれている)のデザインはゴタゴタし過ぎているのが気になるが、これも考えようによっては『ウルトラマン』に遡る企画『科学特捜隊ベムラー』や『レッドマン』の名残と捉えることも出来る(これらの段階では正義の超人というより、人類に味方するモンスターというイメージだった)。

『ULTRAMAN』(2004)_e0033570_8191945.jpgメインの登場人物が揃いも揃って表情に乏しく生硬な演技を見せること、それに音楽が作品と乖離し過ぎている点が大きなマイナス・ポイントだが、意欲作としては評価したい。
ただ肝心の一般客にアピールするには至らず、相変らず観客は”チビっ子”と”大きなおともだち”に限定され、しかも客席はガラガラ。
にもかかわらず、来冬には第二弾の製作が決定したようで最後に告知が流れるのは如何なものか。
元々公開予定が二転三転(夏から春に繰り上がったものの結局は年末へ延期)したこと自体が、今現在のウルトラマンが置かれている厳しい状況を如実に示していると思うのだが。
そういえば大義のためとはいえ自衛隊が民間人を拘束、監禁し、あまつさえ発砲するような映画によく協力したものだ。

ところで劇中では全く触れられていないが、この作品は現在TV放映中のシリーズ『ウルトラマンネクサス』のプロローグ編にあたるのだとか。
これからTVの方で映画とのリンクが描かれて行く予定だそうである。

Tracked from ネタバレ映画館 at 2006-04-13 23:34
タイトル : ULTRAMAN
 『平成ガメラ』『機龍ゴジラ』と自衛隊PR映画の後継者となった感のある本作品。映像では、映画『デビルマン』を彷彿させるCG技術と人間ドラマが中心となる。内容は初代ウルトラマン第1話をそのままリメイクしたものらしい。それにしても館内のオコチャマがうるちゃい!... more
Tracked from ダディャーナザン!ナズェ.. at 2006-04-16 18:51
タイトル : ULTRAMAN
初代ウルトラマン第一話を元に作られた(リメイクらしい?)物語。 ハムの人主演(ハム太郎ではなく別所哲也です)。ただ彼は、科学特捜隊の隊員ではなく、航空自衛隊のF15戦闘機のパイロットだ。 ある日、緊急スクランブルで出撃するが赤い炎の球と衝突、奇跡的に生還。病....... more
Tracked from グレート・タカの徒然なる.. at 2006-06-14 22:37
タイトル : ULTRAMAN
あの「ウルトラマン」の2004年版リメイク。 平成ウルトラマンシリーズは、何故か見てない。 ウルトラマンティガ、ダイナ、ガイア、コスモス… 全然わかんねえや。 なんかデザインがねぇ… 平成仮面ライダーはカッコイイんだけど、ウルトラマンはいまいち。 で、....... more
Tracked from 虫干し映画MEMO at 2006-06-25 21:11
タイトル : ULTRAMAN (2004/日)
監督: 小中和哉 出演: 別所哲也 遠山景織子 大澄賢也 裕木奈江  自衛隊パイロットの真木舜一はスクランブルで出動時、空中で“赤い発光体”と衝突、機は墜落炎上、彼は奇跡的に生還した。難病の息子の為に自衛隊を退官し、民間のセスナに乗るようになった彼だが、ある日、防衛庁の特殊機関に拉致される。そこで真木は、赤い発光体によって自分の身体が異変を生じていること、そしてすでに先例が一人いることを知らされる。  子ども連れの観客がほとんどでしたが、この映画はお子様にはあまり面白くないでしょうね。  終わ...... more
Commented by ningyo at 2006-06-25 21:13 x
TBありがとうございました。映画館で見ているお子様たちに、もうちょっとウルトラマンのかっこよさにときめかせてあげたい!とか老婆心が芽生えそうでした。
Commented by odin2099 at 2006-06-25 21:25
>ningyo様

平成「ガメラ」を評価いた人たちは、こぞってこの作品を誉めてましたけれど、
自分には何かベクトルが微妙に違うように感じましたね。
仰るとおり、ドラマはドラマとしておくとしても
ウルトラマン自体は格好良く、すっきりと描いて欲しかったです。
by odin2099 | 2004-12-25 22:15 |  映画感想<ア行> | Trackback(4) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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