『ネバーランド』(2004)
2005年 03月 05日
日課になっている散歩の途中で立ち寄った公園で、若き未亡人シルヴィアと4人の男の子たちと出会うバリ。その日からデイヴィズ一家との交流が始まるのだが、中でも父親を亡くしたことに一番衝撃を受けていた三男のピーターとはより深い絆で結ばれ、少年の心を持ち続けているバリと触れ合うことで、ピーターも少しずつ夢見る心を取り戻してゆく。だがそんな時、母親が重い病気だと知ったことで、ピーターは再び心を閉ざそうとしていた。
夢を追い続け、なおかつ他人の家庭に入れ込んでゆく夫を理解出来ない妻はバリの元を去り、また娘には夫が、孫たちには父親が必要だと考えているピーターの祖母にとってはバリは邪魔な存在。そしてシルヴィア自身も夢見る心を失いかけていたそんな時、新作『ピーター・パン』の舞台が幕を明けた・・・。
映画の冒頭では「事実の映画化」ではなく、「事実にインスパイアされた物語」だと断り書きが出るが、実際にバリの遺族からは「事実と違い過ぎる」とクレームがついたらしい。だからこそ最初に書いたように、”もう一つの『ピーター・パン』物語”として楽しむべきで、ファンタジーを産み出す過程での、もう一つのファンタジーなのである。
劇中で表現される<ネバーランド>の描写には少々失望させられたが、それを見せる(魅せる)までのクライマックスの盛り上げ方には思わずグッとくるものがあった。『ピーター・パン』の映画を見た人には、是非ともこちらも併せてご覧になることをお奨めする。
この作品でオスカーを手にするだろう、と言われたジョニー・デップは残念ながら選に漏れたが、個性の強さを抑えたのが逆に印象を弱めたのか、それとも4人の子どもたち、特にピーターを演じたフレディ・ハイモアに食われた感があるのがマイナスに働いたのか。
結局アカデミー賞には作品賞、主演男優賞、脚色賞、編集賞、作曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞の7部門でノミネートされたが、受賞は作曲賞のみという些か寂しい結果になったが、無冠に終わったゴールデン・グローブ賞に比べればマシというものだろう。
”大人版『ピーター・パン』”である『フック』でタイトル・ロールの海賊船長を演じたダスティン・ホフマンが、今回はバリの芝居を打つ興行主のフローマン役で出演しているが、役柄としてはあまり面白みのあるキャラクターではないと思うが、流石の存在感を示して映画全体を締めていた。また、少ない出番ながらも印象に残ったのはアーサー・コナン・ドイルを演じたイアン・ハート。言わずと知れたシャーロック・ホームズの生みの親とバリが友人関係にあったのは寡聞にして知らなかったが、物語に客観的な視点を導入した点からも重要なキャラクターになっていた。
「ネバーランド」(2004) 米・英 FINDING NEVERLAND 監督:マーク・フォースター製作:ネリー・ベルフラワーリチャード・N・グラッドスタイン製作総指揮:ゲイリー・ビンコウニール・イズラエル原作戯曲:アラン・ニー脚本:デヴィッド・マギー撮影:ロベルト・シェイ....... more
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2004年 イギリス/アメリカ 監督 マーク・フォスター 出演 ジョニー・デップ/ケイト・ウィンスレット/ダスティン・ホフマン ピーター、そこは夢がかなう場所なんだ。信じれば、必ず行ける あらすじ 1903年のロンドン。新作の不評で気落ちしていたジェームズ・バリは、散歩に向かった公園で若い未亡人のシルヴィアとその4人の幼い息子たちと出会うが、少年らしさの見られない三男のピーターを気に掛けるようになる。一方、ジェームズの妻メアリーは疎外感を強め、夫婦の仲は悪化する。そんな中、早く大人になろうと...... more
ピーター、そこは夢がかなう場所なんだ。 信じれば、必ずいける。 公式HPはこちら ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ピーターパンてジェームズ・バリっておじさんが書いたのね・・・ 知らなんだ- なかなか思うよ... more
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文字化けして見られません(涙)。
一応、返礼トラバさせてくらさいませ。
自分はあまり深く映画を読み解くタチではないので、普通に楽しめちゃいましたけどね(笑)。
でも「ピーター・パン」の解釈や、この作品で描かれるバリのキャラクターなどは結構危険なものなのかも知れません。
日本人には所詮わからないのかも・・・。
当事者にしかわからない事情があったのかも知れませんね。
ただ、バリとデイヴィズ一家との関係は、純粋な気持ちから出たことかもしれませんが、ちょっとスキャンダラスな雰囲気もない訳ではないですが・・・。