舞台『未来少年コナン』
2024年 06月 06日

出演はコナン:加藤清史郎、ラナ:影山優佳、ジムシー:成河、モンスリー:門脇麦、ダイス:宮尾俊太郎、ルーケ:岡野一平、レプカ:今井朋彦、おじい・ラオ博士:椎名桔平。
東京芸術劇場プレイハウスにて。
休憩挟んで上演時間は3時間弱。
攫われたラナを追ってコナンが辿り着いた島がハイハーバーで、そこでジムシィと出会ったり(当然ジムシィとラナは面識有り)、そこを占拠するべく現れたインダストリアの兵士たちを直接率いているのがレプカだったり、色々と改変はあるものの思いの外うまくまとめてあるんじゃないのかなあ。
モンスリーの葛藤も比較的早い段階から描かれるし、ダイスは最初っから日和見主義者でこれまた早くにレプカに反旗を翻すけれど、それぐらいのテンポじゃないと収拾がつかないのだろう。
のこされ島→ハイハーバー→インダストリアときて、サリベージ船の一件があって再びインダストリアへ向かって太陽の塔のドタバタにギガントの復活と盛り沢山だ。
その煽りを食ってハイハーバーは殆ど出番なしだし、バラクーダ号もロクに出てこないけれど。
ただお話はうまくまとめてるなとは感じたものの、序盤から抽象的、前衛的なパフォーマンスが多いし、動いてナンボのコナンだけに、アニメと違って舞台という制約の中で動きの封じられたコナンがコナンに見えるかというと…?
ミュージカル仕立てが『未来少年コナン』という作品に適していたかも疑問が残るし、1階席とはいえ役者の顔なんか全然見えない席だったから、キャラがみんな別人に見えてしまって困った。
特にレプカは完全に別人で、色々と弄りたくなるのだろうがそこは原作通りの堂々たる(いや、結構卑怯なヤツだったっけ)憎々しい悪役のままでいて欲しかった。
ダイスくらいかなあ、原作を再現してるキャラクターは。
椎名桔平のおじいとラオ博士も、誰だかわからないくらいに自分を滅してはいたけれど。
てなワケで期待していなかった舞台版『コナン』、アニメを知らないとお話がよくわからないし、アニメが好きだとかなりの違和感を覚えるんではないかな、という作品だった。
のこされ島の情景、ハイハーバーの情景、インダストリアの情景、ギガントの巨大さ、醜悪さ、何も浮かんでこない。
これならむしろ『天空の城ラピュタ』の方が舞台向きだったかも。