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『スター・ウォーズ/クローン大戦』VOL.2

今のところ、VOL.2のDVD発売の告知はなされていない。
カートゥーン・ネットワークに加入していない身としては、「いつになったら続きが見られるのかなぁ」と案じていたところ、思いがけずにNTVが深夜に、しかも二夜連続でVOL.1とVOL.2を放送してくれたので、ようやくまとめて見ることが出来た。
なにせVOL.1は、強敵アサージ・ヴェントレスをアナキン・スカイウォーカーがようやっと倒したものの――ちなみにこの戦いの舞台となっていたのはヤヴィン第4衛星、『エピソード4/新たなる希望』で反乱軍の秘密基地が置かれていた星だ――、グリーヴァス将軍に襲われたキ=アディ=ムンディやシャアク・ティ、アイラ・セキュラらジェダイたちの絶体絶命で幕を閉じていたのだから。

VOL.1は惑星ムウニリンストを舞台に、地上で戦うオビ=ワン・ケノービと宇宙戦の指揮を執るアナキンとを並行して描き、これに断片的に他の惑星、モン・カラマリ――『エピソード6/ジェダイの帰還』に登場するアクバー提督の故郷である――でのキット・フィストーの戦いや、ダントゥイン――こちらは『エピソード4』で、モフ・ターキンの尋問に屈した(かに見えた)レイアが、反乱軍の基地があると告げた惑星だ――でのメイス・ウィンドゥの孤軍奮闘ぶり、更には惑星イラムでのルミナーラ・アンドゥリとバリス・オフィーの師弟コンビの活躍などが挟まれる形になっているので、通しで見るとバランスが悪かったのだが、VOL.2ではオビ=ワンとアナキンの新たな冒険と並行ではあるものの、基本的にはグリーヴァス将軍によるコルサントの奇襲、そしてパルパティーン議長を守るべく奮闘するジェダイたちを中心に追いかけて行くので、見ているこちらのノリも違う。チャプター数は減ったが(CHAPTER21~25の5つ)、その分一つあたりの長さが増えたのも、より見応えが出た大きな理由だろう。
また脇筋に近いとはいえ、オビ=ワンとアナキンの物語にはアナキンの未来を案じさせるシーンも盛り込まれていて、きちんと『エピソード3/シスの復讐』への伏線の役割も果たしている。

VOL.1では、例によってオビ=ワンの命令に背いたアナキンが、結局は最後には反省するというお馴染のパターンだったが、VOL.2ではのっけからアナキンとオビ=ワンが衝突。クワイ=ガン・ジンの夢を見た(?)アナキンが彼と比較してオビ=ワンを批難してしまい、直後に慌てて謝罪するというシーンがあるのだが、オビ=ワンはそんなアナキンを優しく受け止め、このことが返って二人を一層結びつけるきっかけになっている。そしてオビ=ワンの推薦もあって、アナキンはめでたくパダワンを卒業して騎士として認められるのだ。これが『エピソード3』序盤の、二人の親密な遣り取りへと繋がっているわけだが、これは是非とも本編で見たかったシーンでもある。

コルサントの攻防戦も、ヨーダとメイスによるドロイド軍の迎撃や、執拗なグリーヴァス将軍の追撃を必死にかわそうとするシャアク・ティらの奮戦などこちらも見所一杯で、これも映画本編に欲しかったシーンだ。オビ=ワンとアナキンとの確執、アナキンのダークサイドへの転落を描くという『エピソード3』の趣旨からすれば不要なのもわからないではないが、実に勿体無い。TVアニメとはいえ、この作品で一応は映像化されたことに満足しなければいけないのかも知れないが。
そしてラストは、連絡を受けてパルパティーン救出に向かうオビ=ワンとアナキン、ということでストレートに『エピソード3』冒頭へ繋がる作りになっている

『スター・ウォーズ/クローン大戦』VOL.2_e0033570_17142628.jpg他にも、パダワンを卒業したアナキンが髪型を変えるシーンや顔に傷を負うシーン(具体的な描写はない)、惑星キャッシークが描かれるシーン(ウーキーも登場する)、ドゥークー伯爵がグリーヴァス将軍に戦い方を教えるシーン、そのグリーヴァスがメイスとの戦いで一撃を食らって咳をするようになるシーン、アナキンの義手が新しくなるシーン(『エピソード3』と義手の形態が違うのは、単にアニメならではなのかと思っていたのでビックリ!)、パドメが金ピカになったC-3POをお披露目するシーン等々、『エピソード3』に繋がる要素は数多い。
この作品を見ることによって『エピソード3』の理解度が深まるのは確実で、これはもう『エピソード2.5』と呼んでも差し支えないだろう。そういえばオビ=ワンの副官格のクローン・トルーパー、コマンダー・コーディもきちんとこの作品に出てきている。
by odin2099 | 2005-07-07 21:36 | テレビ | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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