『はてしない物語』 ミヒャエル・エンデ
そして不思議に思ったものだ。何故映画は原作の半分までしか描いていないと言われているのか。ファンタージェンから少しだけ成長して戻ってきたバスチアン、これはこれできちんと完結しているのではないか(その後続編が作られるが)。
それに物語を充分に楽しめたという思いもある。その答えを知るには読むしかない。というわけで文庫化を機にようやっと手に取る気になった(実はハードカバーも持っている・・・)。

しかし映画を楽しんでしまった僕には、これを持って映画を「否」とは出来ない。例え原作信奉者には許し難い出来映えだったとしても、作品の認知度の上昇と新たなファンの獲得は果されたという「功」の部分もあると思うからだ。そして映画を気に入った人には、次なるステップとして原作小説を手にとってもらえば良い。現に自分がそうだったし、結果的にはどちらも楽しめたのだから。
ちなみに原作で描写されるバスチアンは「十か十一くらいの背の低い太った少年」。そのままでは流石に映画化は難しかったのだろうが、原作ファンはこの時点で拒絶反応があるのだろう。