『新版 シルマリルの物語』 J・R・R・トールキン
2004年 12月 28日

未完のままで作者の生前には出版されず、その死後に子息の手によってまとめられて日の目を見たという経緯がありますが、実は構想はこちらが先。中つ国の誕生から第一紀、第二紀の出来事が中心に描かれ、『指輪』はそれを前提に物語が進められています(『指輪』の舞台は第三紀末)。
そのために『指輪』の作中で唐突に出てくる神話・伝説は、こちらを読めば(読まなきゃ)わからない仕組になっております。
それだけでなく、サウロンに先立つ初代の冥王モルゴスの暗躍、エルロンドやガラドリエル、イシルドゥアなど『指輪』読者にお馴染みの名前も並び、特に最後の「力の指輪と第三紀のこと」は『指輪』のダイジェスト、かつその背景についても詳しく描かれていますので、ガイドブックにもなりますが、残念なのは『指輪』以上にとっつきが悪く読みにくいこと。
元々小説として完成されているわけではなく、創作神話の集成という感じなので無理はないんですが、挫折者は続出しそう・・・。

"dog year"という言葉があるように犬は我々よりもずっと速く歳を重ねてしまいます。 同じようにエルフやドワーフやホビットも我々人間とは違った時間を生きているのです。 1.ホビットの時間 フロドは指輪の旅に出かけるときに50歳でした。 映画を観るとえらく子供っぽいですが、果たして人間の50歳と同じなのでしょうか? ホビットは33歳で成人して寿命は普通100年ぐらい、長生きすれば130年生きられる。 したがって、ホビットは人間よりも少し長い時間を生きているわけ...... more

「指輪物語」の世界をイメージして作ったのがこのキルトである。 すべてを統べる1つの指輪を中央に配置してそのインパクトを持たせ、その周囲にエルフ、ドワーフ、人間の19の指輪を配置した"指輪マンダラ"である。 1.エルフの3つの指輪 エルフは人間を超えた美しさと賢さを持ち、不老不死である。 これはまさに神話の神々といった感じだ。 それもそのはず、トールキンのエルフはアイルランドの神族トアッハ・デ・ダナーンがモデルだ。 この神族はケルト人が地上を支配するようになると...... more

ユングは無意識内に存在する元型である「グレートマザー」「老賢者」「始源児」などについて、様々な研究を行っているが、「指輪物語」の中にもこういった元型が多く存在するのである。 グレートマザー 我々は無意識の深層に、絶対的な優しさと安全感を与えてくれる母なるもののイメージを持っている。 エルフの住む美しい森、ロスロリアンの女王ガラドリエルはグレートマザーの属性を担っている。 ロスロリアンは、悪しき者の攻撃から守られ、そこに育つものは、病むことも枯れることもない。 ガラドリ...... more
「指輪物語」を全部読み終えたら読もうかと思いますが。
(現在読んでいるのは文庫版の第8巻、もうすぐ第9巻になる。いよいよクライマックスだ。)
『シリマリルの物語』は何度も挫折しそうになりながら、何とか読み終えましたが、残る『終わらざりし物語』は手が出ません・・・。入手はしたんですけれど・・・。
『指輪物語』、あと少しですね。頑張って下さい。
最初のところでアイヌアのことや、ガンダルフの出自がよく分かりました。
「中つ国歴史地図」と照らし合わせて見ました。
第1紀の地形って指輪の世界とずいぶん違っているので、何故だろう、と思ったら、シルマリルの舞台であるベレリアンドは最後の大会戦で海に沈没したのですね。
「指輪」の中で語られていたルシアンやエアレンディルなども登場しましたね。