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『星の王子さま』 サン=テグジュペリ

岩波書店の独占的翻訳権が、今年1月に消滅。論創社、宝島社、中央公論新社、みすず書房、集英社、新潮社らがこぞって新訳出版に乗り出してきたが(最終的には10社程度になるらしい)、久々に読んでみたくなって手に取ったのは、昔ながらの内藤濯訳による岩波書店版。
ただし今回読んだのは、作者が描いた本来の挿絵を復元したという、数年前に作者の生誕100年を記念して出版された<オリジナル版>で、ハンディ・タイプでありながらカラーで挿絵が載っているという、ちょっと贅沢なものである。

『星の王子さま』 サン=テグジュペリ_e0033570_17232980.jpg最初に『星の王子さま』を読んだのは小学生ぐらいだったろうか。それ以来何度か読み返しているけれど、実は未だにピンとこない部分がある。
やっと家くらいの大きさだという、王子さまが住んでいた小さな星をはじめ、物語にはいくつもの星が出てくるのだけれども、この設定がどうにもこうにもしっくりとこない。
物語を読むときに、理詰めに、整合性を取りながら、などということは普段全くといってしないのだけれども、殊この作品に関してはどうしても引っ掛かってしまう。そんなのあるわけないじゃないか、と。

それに語り部である主人公と王子さまとの会話と、回想の形で出てくる王子さまと色々な星の住人たちとの会話も、何やら禅問答じみて頭の中を素通りしていくだけ。
そして唐突に思われるラスト・シーンの展開・・・。

どうやら最初に出会ったときから、僕はこの本に相応しいほど充分な”こども”ではなかったらしい。それは不幸なことだった。いや、少なくてもそのことを不幸だと感じられる程度には、”こども”の心を残していたのだと思いたい。
Commented by d-o-by_slow at 2006-05-02 08:51
はじめまして。TBありがとうございます。<オリジナル版>はまだ読んだ事がないので、この機会に「本来の挿絵」を観てみたいと思いました。私は年齢的には十分大人なのですが(^^;)中身は子供っぽいのです。ストレスの多い環境の中で絵本や児童書に、いつも心癒されています(^^)
Commented by odin2099 at 2006-05-03 07:46
>ヨーコ様

各社からこぞって新訳版も出ていますので、事情が許せば(笑)読み比べをしたいと思っております。
でも何冊かパラパラとめくってみたところ、思いの外違いがなさそうでちと残念・・・。

話変りますが、可愛い猫の写真が一杯で、素敵なブログですね♪
Commented by d-o-by_slow at 2006-05-03 23:39
猫の写真はほとんど携帯のカメラで撮っているんですよ(^^)
odin2099さんのブログのように毎日更新とはいきませんが、
スローペースで更新中です!!
Commented by odin2099 at 2006-05-04 08:12
>ヨーコ様

以前自宅で猫を飼っていたこともあるので、猫は好きです♪
可愛い写真が一杯で羨ましい限り・・・。
Commented by shmuplus at 2006-06-10 00:44
こんにちは。
はじめまして。
TBありがとうございます。(いま気づきました(遅))

カラーの挿絵つきの、ということは、うちにあるものと同じものなのですよね、きっと。
一時期、翻訳コンテストみたいなものを出版社(だったか?)が企画されていて、そのサイトをみつけたのはコンテストが終了したあとでしたが訳者によってずいぶんと話が変わってしまうものだなぁ、としみじみ思ったりしました。
Commented by odin2099 at 2006-06-10 08:36
>shmuplus様

こちらこそTB投げっぱなしで失礼しました。
書店を覘くと、いつの間にか新訳本が増えてる気がします。
古典的名作なので各社がこぞって出したくなる気持ちはわかりますけれど、
どこで差別化するか、ですねぇ。
どこかに比較サイトとかあると便利ですけれど・・・(苦笑)。
by odin2099 | 2005-08-18 21:54 | | Trackback | Comments(6)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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