『星の王子さま』 サン=テグジュペリ
2005年 08月 18日
ただし今回読んだのは、作者が描いた本来の挿絵を復元したという、数年前に作者の生誕100年を記念して出版された<オリジナル版>で、ハンディ・タイプでありながらカラーで挿絵が載っているという、ちょっと贅沢なものである。
最初に『星の王子さま』を読んだのは小学生ぐらいだったろうか。それ以来何度か読み返しているけれど、実は未だにピンとこない部分がある。
やっと家くらいの大きさだという、王子さまが住んでいた小さな星をはじめ、物語にはいくつもの星が出てくるのだけれども、この設定がどうにもこうにもしっくりとこない。
物語を読むときに、理詰めに、整合性を取りながら、などということは普段全くといってしないのだけれども、殊この作品に関してはどうしても引っ掛かってしまう。そんなのあるわけないじゃないか、と。
それに語り部である主人公と王子さまとの会話と、回想の形で出てくる王子さまと色々な星の住人たちとの会話も、何やら禅問答じみて頭の中を素通りしていくだけ。
そして唐突に思われるラスト・シーンの展開・・・。
どうやら最初に出会ったときから、僕はこの本に相応しいほど充分な”こども”ではなかったらしい。それは不幸なことだった。いや、少なくてもそのことを不幸だと感じられる程度には、”こども”の心を残していたのだと思いたい。
各社からこぞって新訳版も出ていますので、事情が許せば(笑)読み比べをしたいと思っております。
でも何冊かパラパラとめくってみたところ、思いの外違いがなさそうでちと残念・・・。
話変りますが、可愛い猫の写真が一杯で、素敵なブログですね♪
はじめまして。
TBありがとうございます。(いま気づきました(遅))
カラーの挿絵つきの、ということは、うちにあるものと同じものなのですよね、きっと。
一時期、翻訳コンテストみたいなものを出版社(だったか?)が企画されていて、そのサイトをみつけたのはコンテストが終了したあとでしたが訳者によってずいぶんと話が変わってしまうものだなぁ、としみじみ思ったりしました。
こちらこそTB投げっぱなしで失礼しました。
書店を覘くと、いつの間にか新訳本が増えてる気がします。
古典的名作なので各社がこぞって出したくなる気持ちはわかりますけれど、
どこで差別化するか、ですねぇ。
どこかに比較サイトとかあると便利ですけれど・・・(苦笑)。