『「本能寺」の真相』 姉小路祐
2005年 05月 29日
それが発端で、これが本能寺の変の真相とどう結びついていくのかは、読んでのお楽しみ。
ネタバレになるので詳しくは触れないが、明智光秀とある人物と、更にもう一人の人物との共同謀議なのではないか。
専門家から見て、この考察にどの程度粗があるのかはわからないが、名を捨てて実を取った光秀こそ戦国最大の覇者であるという主張、天海僧正の正体も定説(?)をややズラしたあたりにおくところなど素人目には大変面白い。
架空の人物(資料も?)も用いているのはややずるいと思わないでもないのだが。
ただ、今起きている事件と歴史上の謎を絡めるというよくある構成パターンは、個人的には好きではない。ミステリーはミステリー、歴史の謎は歴史の謎、と別々に取り上げて欲しいのだ。そうでないと、どうしてもフラストレーションがたまってしまう。
あと、途中まで情報を小出しにして行く展開にテンポの良さが感じられるのだが、まとめに入ると急に駆け足気味になっている気がしてしまうのが惜しい。