『アレキサンダー』 オリバー・ストーン他:脚本
2005年 03月 12日
著者名は上記三人の脚本家と「鎌田三平:編訳」という表記。
映画『アレキサンダー』のノベライズだが、これは脚本を元に日本独自で小説化したもの、ということになるのだろうか。
竹書房文庫で出ているノベライズには珍しくないパターンでもあるが、なんとなく箔がついていないというか、有難味が薄いような気もする。
脚本が元だけあって、場面転換のタイミングをはじめ展開は映画と殆ど一緒。映画鑑賞後に読むと、一つ一つの場面が脳裏に浮かび、もう一度作品を見たかのような気にさせられる。
字幕では伝わりきらない台詞のニュアンスや、キャラクターの内面まで描写してくれている点もありがたく、より深い理解の一助になるというわけだ。
ヘファイスティオンの死の真相や、毒杯を呷るに際してアレキサンダーが全てを承知の上だったことなど、映画ではなかなか伝わらない(あるいは割愛したか、意図的にぼやかしている)部分が興味深い。
映画を見て、物語を(登場人物たちを)今一つ把握出来なかった、と思う人には一読をお奨めしたい。
