『朝びらき丸 東の海へ』<ナルニア国ものがたり>3 C・S・ルイス
2004年 12月 03日
今回はお馴染みペベンシー家の四兄弟のうち、年少組(?)のエドマンドとルーシィのみが登場し、更にニューフェイスとしてその従兄弟のユースチスが加わる。
このユースチスというにはかなりの嫌な奴として現れるが、冒険の中で段々と人間的に成長していくというのが一方のテーマ。丁度1作目『ライオンの魔女』でエドマンドが辿ったのと同じような道だ。

現実世界(ペベンシー兄弟にとっての)とナルニア国では時間の流れ方が違うが、この物語では前作『カスピアン王子のつのぶえ』からエドマンドとルーシィにとっては一年後、ナルニアでは三年後という設定で、前作同様カスピアン王子が中心になっている。
数百年の開きがあった1作目と2作目に比べるとストレートな続編と言って良く、物語世界にはより入り込みやすい。ただカスピアン王はあれから色々あったのか、ユースチスが更正していくのと反比例して(?)徐々に傲慢になっていくのが対照的で面白い。

ナルニア国ものがたりの3作目。 「朝びらき丸 東の海へ」は心躍る冒険ファンタジー。登場人物達がこの世の果てへ向かうまでに、次から次へと不思議かつ魅力的な島々で出会う事件と冒険が面白くて読むのがとまらない。 この世の果てとリーピ・チープのことが読み終わったあとも気になる。 この本は傑作に認定。 4作目の「銀のいす」も一気に物語へ引き込まれる。 泥足にがえもんという人物が出てきますが、この人は大好き。 自分の名前を教えるところのくだりは、簡単な台詞一つで性格と心の良さを端的に表している名台...... more