ドラマ『からかい上手の高木さん』#2
2024年 06月 30日
4話のラストで高木さんが転校するかも?!というオリジナル展開を持ち込んできたので、5話以降は原作とは些かニュアンスというかトーンの違うものに。

原作だと第8巻1話の「バレンタイン①」と2話「バレンタイン②」、それに16巻7話の「チョコ」あたりを組み合わせた内容で、高木さんにチョコを貰えず焦り気味の西片、中井くんになかなかチョコを渡せない真野ちゃん、北条からのチョコが手作りじゃないことに落ち込む浜口、といった細かな描写が続く。
しかしドラマ版だと比重が「西片・高木とその他大勢」みたいになっているので、せっかくミナや高尾、木村あたりを出しても「誰それ?」なのがなあ。
見どころは原作、アニメ共に直接は描かれなかった高木さんの変顔。
よくやった!
第6話では2巻7話の「腕ずもう」、16巻9話「卒業式」などが使われているが、本筋が高木さんと西片の別れの方へ向かいつつあるので、原作読んだりアニメ見たりした時の愉しさは半減。
父親の仕事の都合で高木さん一家がパリへ引っ越すことが正式に決まるが、西方は知らされず。
結局そのことを中井くんから知らされ、ショックを受ける。
第7話と最終回の第8話はほぼオリジナルエピソード。
1巻6話「日直」や7話「傘」、7巻8話の「教科書」などからの引用もあるけれど、原作にもアニメ版にもない西片と高木さんの別れを描くのだから、雰囲気が違うのも当然と言えば当然。
7話では3学期の終了と共に高木さんは転校、ということでお別れの場面が出てくるが、8話冒頭では何故か3年生の1学期が始まったのに高木さんがいる?という謎展開に。
これ、仕事の関係で引っ越しが3カ月延期になったから、ということなのだが、これ必要だったのかな。
その分もうちょっとしんみりさせるか、あるいはドラマティックな演出で見せるのかなと思ったのだが、案外あっさりと淡々とした終わり方。
渡仏のために船で島を出ていく高木さんを皆で見送るシーンでエンド。
これは次に二人が再会する劇場版が控えているから、なのかも知れないが。
原作者の故郷である小豆島でロケを敢行し、丁寧な作りのエモいドラマではあったものの、これが『からかい上手の高木さん』でなかったならば。
キャストでいうならば、西方は合格点、真野ちゃんと北条も可愛いからマル。
それに浜口も「らしい」のだけれども、それ以外はちょっと…。
原作とアニメ版が好きなだけにどうしても採点は辛くなる。
期待値の低さを差し引いたとしても、だ。
ちなみに西片たちが3年生に進級したのは「平成26年度」となっていた。
それから10年、劇場版はリアルタイムのお話ということになるわけだ。
ということで引き続き劇場版へ。