『長岡大花火/打ち上げ、開始でございます』(2024)
2024年 07月 29日
テレビ中継と同じことやるとは思えないから、花火を作る人や大会の運営に携わる人など裏方さんにスポットを当てたものなんだろうな、ぐらいに考えて見に行ったのだが、一つ冠を見落としていた。
<中越地震復興20年祈念ドキュメンタリー>という文字を。
前半は長岡の苦難の歴史。
新幹線の長岡駅は、長岡城の跡地にある。
では何故長岡城は残っていないのか?というと、幕末の戊辰戦争で焼け野原となったからだ。
そして太平洋戦争末期の長岡空襲で多くの犠牲者が出た。
そのことを今に伝える語り部や、子供たちによって上演され続けている芝居も紹介される。
その度に不屈の魂で復興を成し遂げてきた長岡だったが、今度は2004年、中越地震が襲う。
前半は、倒れる度に立ち上がる長岡という街を点描する。
そして後半は昨年の花火大会のダイジェストだ。
ただ華やかな花火を打ち上げるだけではない。
音楽と融合させた演出に、スタッフの意地が垣間見える。
歴史を背負い、多くの人に支えられた大会。
訳もなく感動した。
正直言うと夜空を彩る華麗な花火に、赤く染まった空に、見たことのない長岡空襲がオーバーラップしたのだが、これは鎮魂の歌だ、と自分に言い聞かせた。
日本三大花火大会の一つ、と言われているが、確かにこれは一度生で見ておきたい。
そういえば今年は、映画館でライヴビューイングをやるらしい。