『義妹生活』#5
2024年 08月 02日
7月17日。読売先輩と仕事帰りにレイトショーを見に行く悠太。悠太にはこれがデートだという自覚はないだろうけど、余裕を見せてリードしているように見えて、実はどことなく意識している読売先輩が可愛い。二人の会話は原作小説よりも減っているのだけれども、何故か読売先輩の心の動きは小説以上に伝わってくる。
悠太は先輩アルバイトの読売栞に、書店で原作小説が売れている映画のレイトショーへ誘われる。
その帰り道、観た映画の台詞をもじって、ある想いを口にしようとする栞だったが……翌日、昨夜の帰りが遅かった理由を沙季に訊かれ、悠太はレイトショーの感想を話す。
沙季は、悠太が栞と付き合っているのではと考えていたのだ。
栞との関係を否定する悠太に、沙季は何かを考えるように食卓でうつむく。
小説を読む限りだと、読売先輩の悠太への言動は「からかい半分、好意半分」という感じだけれども、今回のエピソードでは6割か7割、ひょっとすると8割以上が「好意」なんじゃないだろうかと思えてくる。
また小説ではさらっと描写されるだけの二人の見た映画の内容だけれども、アニメ版の中ではかなりの分量を割いて劇中劇として作り込まれている。
そしてその物語とは、悠太と読売先輩との「あり得たかもしれない未来」の隠喩、のように思う。
一方の沙季は、まだ見ぬ読売先輩に嫉妬めいた感情を抱き、遂には口実を設けて悠太のバイト先の書店へ顔を出してしまう。
そこで初めて顔を合わせる綾瀬沙季と読売栞。
初対面で、沙季の悠太への想いに気付いた栞は悠太を焚きつけるが、表面上は面白半分でからかっていいるように見えて、その内心ではどう思っていたのだろうか。
『義妹生活』全登場人物の中で、もっとも本心を見せないキャラクターだけに色々と気になり、考えさせられてしまう。
沙季が読売先輩をどう思ったかは、おそらく次回のラストに付くであろう沙季の日記パートのモノローグ待ち。
「すり合わせ」ならぬ「答え合わせ」まで、もうちょっとの我慢。