『伊福部昭 FANTASY WORLD』
2024年 09月 01日
1983年8月に日比谷公会堂で行われたコンサートの再演、とのことです。
この時の模様を収録したCDは後に購入して繰り返し聴いていますが、この頃はまだ「ゴジラ」や東宝特撮映画全般に然して興味を持っていなかったため、コンサートに足を運ぶには至っていません。
その後「SF交響ファンタジー」を生で聴く機会はありましたが、ダイジェストだったり第3番までの通しの演奏に遭遇することはなく、今回初めての全曲鑑賞となりました。
齊藤一郎指揮で演奏はパシフィックフィルハーモニア東京、合唱は記念合唱団、トークゲストとして山崎貴が加わり、そして司会は田中美央。
会場は北とぴあ さくらホールです。
開演に先立ちプレコンサートとして佐藤康子による「聖なる泉~ソプラノと25絃箏のための」が演奏されましたが、アナウンスが悪かったのか周知徹底されておらず、演奏中に会場内に入り着席する方が多かったのは残念でした。
せっかくの素晴らしい演奏だったのに…。
「SF交響ファンタジー」は第一部で「第一番」と「第二番」、休憩を挟んで第二部で「第三番」を演奏。
出来れば「第一番」から「第三番」まで一気呵成に聴きたかったのですが、演奏者の負担なども考えれば致し方ないところかと。
指揮者の熱の入りようも相当なものでしたが、演奏そのものも力強く大迫力!
どの曲も終盤はマーチの釣瓶打ちになりますが、この高揚感は異常。
思わず座席から立ち上がりたくなったほどでした。
第二部では続けて「オーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク」も演奏されましたが、これは初演時と同様。
こちらは映画音楽をアレンジしたものではありませんが、お馴染みの旋律が流れてくるというファンなら必聴の逸品です。
第二部冒頭のトークコーナーでは「ゴジラ」作品や伊福部音楽の思い出話、それに『ゴジラ-1.0』製作の裏話なんかも飛び出し、中にはちょっと言葉を濁す一幕も。
ん?これはひょっとしてひょっとする…?
アンコール曲はプログラムに明記されている通り『キングコング対ゴジラ』のメインタイトル。
合唱にはクラファンで申し込んだ方々も参加。
――だったのですが、その後で会場の皆さんも参加してくださいということで、客席総立ちで合唱。
しかも2回も!(1回目は練習とのこと)
そういやパンフレットの裏に歌詞が書いてあったっけ。