『熊野古道と八咫烏の殺人』 鯨統一郎
2024年 09月 04日
和歌山へ、新興宗教団体の御神体の取材に向かう早乙女静香と、量子力学研究機関の代表にインタビューをしに行く宮田六郎。あらすじは出版社のサイトから。『邪馬台国はどこですか?』、『新・世界の七不思議』、『新・日本の七不思議』、『京都・崇徳院伝説の殺人』(『崇徳院を追いかけて』改題)に続くシリーズ最新作となっており、他には『文豪たちの怪しい宴』と『金閣寺は燃えているか?/文豪たちの怪しい宴』がスピンオフとして紹介されてますが、実際は他社作品の<女子大生桜川東子の推理>シリーズや<歴女美人探偵アルキメデス>シリーズも関連作となってます。
宿泊先に向かう道すがら、宮田のインタビュー相手がビルから落下した現場に居合わせる。
一方、静香が訪れた取材先では御神体が消失してしまい……。
熊野の地を舞台に、二つの事件の真相と八咫烏神話の謎に迫る、『邪馬台国はどこですか?』に連なる最新長編。
他にも『とんち探偵一休さん』から始まるシリーズも、本シリーズの主人公のご先祖というか過去世が出てくるから関連作と言っても過言じゃないですが。
それはさておき久々のシリーズ物ですが、どうも内容がピンときません。
もう完全に”歴史ミステリー”の範疇からは逸脱しているようですし、シリーズ序盤は毒舌バトルを繰り広げていた宮田六郎と早乙女静香が、いまじゃすっかりイチャコラするカップルに成り下がって(敢えてこう表現しますけど)いるのは、なんだか興ざめです。
そのうち結婚して、今度は「おしどり探偵」シリーズみたいになったりするのかなあ、なんてこともふと考えたりして。
まあ乗りかかった船ですし、出来れば最後まで同道するつもりではありますが。