『サラ金嬢のないしょ話』 小田若菜
2006年 04月 28日
最近では”サラリーマン金融”という言葉よりも、”消費者金融”という言葉の方が広まってきているようでもありますが、その、実態があまり知られていない業界の、いわゆる内幕モノです。
作者は”社会人二年目の美人サラ金嬢”で、サラ金の仕事の内容やお客様とのエピソードなどが彼女の目を通して綴られています。
まぁ結構微妙な内容ではあるので、笑って読める人やフンフンと感心しながら読める人もいるでしょうが、反対に笑いごとじゃない人や恐怖心さえ覚えてしまう人もいるでしょうね。怒り出す人だとか。
幸い(?)自分は楽しく読むことが出来ましたが(笑)、ただ接客業やサービス業などにつきもののエピソードは、読んでいて身につまされる点も・・・。何処の業界も、苦労は同じなんですなぁ。
また先ほども紹介したように、作者は新人OLさんと呼んでも差し支えないキャリアの持ち主ですが、その割りに自分の仕事や業界の内容をしっかり把握しているのには感心させられます。振り返れば、自分が社会人二年目の時に第三者に向ってこれだけ自分の仕事について語れたかというと、おそらく無理だったろうと思います。その反面、あまりにも上手くまとめられ過ぎている気もしますので、この著者プロフィールは架空のもので、実はベテランの筆になるものではないのかな、という疑問もありますが。
この本を読んでこの業界に対する認識を改め、軽い気持ちで一歩を踏む出す人もいるんじゃないかと思いますが、つい最近も業界大手が業務停止命令を受けているという現実もあります。
やはり「ご利用は計画的に」ということなんでしょうね。