『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』#3
2024年 10月 04日
うーむ、面白いや。
第3話は「湖の騎士・ランスロット」。
第1話から登場していたレオグランス王の娘ギネビア姫だが、台詞があるのはこの3話から。
ランスロットの初登場回で、しかもしっかりと二人が出会うシーンもあるのは原典を意識してのことだろうか。
まさか後に恋仲になってドロドロ…なんて展開も予定していたとは思いたくはないな。
若桜木虔のノベライズ版では匂わせがあるし、オリジナルで『燃えろアーサー後伝』をやりたいとかコメントしていたけれど、少なくてもこのアニメ版の世界では止めてくれ。
ギネビアの声は潘恵子で、この頃は売り出し中の若手というよりも、あれよあれよという間にレギュラーやヒロイン役などドンドン出演作が決まっていくので、なんだかゴリ押しされてるようであまり良い印象は持ってなかったっけ。
ちなみにギネビア役が吉田理保子だったら?とチラと妄想したことはある。
特段ギネビアを吉田理保子に演じて欲しいとは思わないが、もし神谷明の相手役=吉田理保子だったら、座組としては更に理想に近づいたのは確か。
そして”湖の騎士”ランスロットだが、高潔な騎士の中の騎士で希代の色男の筈なのだが、ファースト・コンタクトがこの作品だったので、どうしてもゴッツイ男のイメージが未だに払拭できない。
声も玄田哲章だから尚更で、でも神谷明の親友・相棒が玄田哲章というのも鉄板ではあるな。
第4話「竪琴の騎士・トリスタン」では、コーンウォール国の王子トリスタンが登場。

アーサーも、ランスロットを信頼しつつも父の仇の子という疑いは拭いされない。
ならば全てを知っているであろうマーリンに会うために旅に出るのだが、その途中でトリスタンと出会うという寸法。
トリスタンはキザでクール、やや斜に構えたり上から目線だったりする面はあるけれど、情には篤い”智将”といった描かれ方で、これはランスロットに較べてより原典に近いキャラクター設計になっている。
神谷明の兄貴分、ライバル的存在感という立ち位置で、声が井上真樹夫というのもはまり役だ。
ただ惜しむらくは、この時期の東映動画作品に共通する作画のレベルダウンという問題があること。
TVシリーズだけじゃなく、単発のTVのスペシャル物や劇場公開用作品も抱え、国内だけでなく韓国に外注をかけたりしていたようだが、スケジュールをフォローしつつクオリティを上げるというのはやはり困難だったのだろう。
時折似ても似つかぬキャラが画面を横切るのは…怒りを通り越して悲しくなってくる。