『ボルテスV/レガシー<超電磁編集版>』(2024)
2024年 11月 05日
その序盤部分を劇場映画として再編集したものを、更に日本向けに再編集した作品。
原典である日本のテレビアニメ版の1~2話にあたる。
もしかすると42年前の今頃、劇場で『ボルテスV』を見ていたかも?と考えると感慨深い。
というのも1982年の秋から年末あたりに、TVシリーズ『ボルテスV』を再編集(新作カットを含む)した劇場版公開の話が持ち上がっていたからだ。
その前年に『宇宙戦士バルディオス』の劇場版が製作・公開されていたから、その流れだったのかも知れない。
まあ結局は頓挫してしまったが、そもそも全40話もある大河ドラマ的展開の『ボルテス』を、一体どうやって一本の映画にまとめるんだろうか?と半信半疑でニュースを追いかけていたのではあったが。
ともあれ出来上がった本作は、紛れもなく『ボルテスV』だった。
ボルテスチームの面々にあまり日本版の面影はないが、ボアザン帝国側はかなり忠実にトレース。
主題歌は日本版のカバーだが歌唱はしっかりと日本語で行われているし、BGMも日本版のアレンジかな?
ストーリーがやや中弛みするのと、ボルテスVが思いの外活躍しないのが難点ではあるものの、原典に対するリスペクトは半端ない。
東映は自ら海外に持ち込んで『聖闘士星矢』の実写版作るよりも、熱意と才能のある第三者に任せてサポートに徹した方が良いんじゃなかろうか(あ、これ、東映だけの話じゃないか)。
これだけでのものを見せられると、ちゃんと完成して日本でも公開されるかどうかわからないものの、ブラジル版『巨獣特捜ジャスピオン』なんかにも大いに期待したくなる。
ただ、いきなりの『ボルテスV』映画化にはちょっぴり複雑な気持ちも…。
というのは『ボルテスV』はやはり『超電磁ロボ コン・バトラーV』の後番組。
やるなら順番からいって『コン・バトラー』が先だろ?という思いがあるからだ。
『マジンガーZ』を差し置いて『UFOロボ グレンダイザー』を、『宇宙刑事ギャバン』をスルーして『宇宙刑事シャリバン』を、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』ではなく『ウルトラセブン』を、それぞれいきなりメインフューチャーされたら、やっぱり良い気持ちはしない。
『タイムボカン』差し置いて『ヤッターマン』、という前例もあるんだよな…。
月曜は『合身戦隊メカンダーロボ』
火曜は『闘将ダイモス』
水曜は『マジンガーZ』
木曜は『UFOロボ グレンダイザー』
金曜に『ボルテスV』
が放送されていたそうで、
金曜日の放送を、
コンバトラーVにするかボルテスVにするかで
放送局が悩んだ末、
コンバトラーVにしたそうだけど、
コンバトラーVだったら、
ここまでの人気にはならなかったかも?
ですよね。
このメンツだと『メカンダーロボ』が大抜擢されてる感が強いですが(自分もこの作品だけほぼ未見ですし)、セット売り(抱き合わせ商法)かなんかだったのかな。
製作に東映が嚙んでない作品だから、代理店がまとめて権利取得したとか?
吹替とかで設定が大きく変えられてたりするのかもですが、『マジンガーZ』と『グレンダイザー』の同時放送で、フィリピンの子供たちは混乱しなかったのかしらん。
日本でウケたから外国でもウケるとは限らないだろうけど、当時の東映なり広告代理店の宣伝戦略がどうなっていたかは気になる。
同時期にマーベルに「Shogun Warriors」としてライディーンやコン・バトラーV、ダンガードAらを売り、逆にマーベルからスパイダーマンやミス・アメリカ(「バトルフィーバーJ」)を獲得してそれぞれが独自展開してたワケだけど。