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『八犬伝』(2024)

『八犬伝』(2024)_e0033570_22272005.jpg『南総里見八犬伝』を構想、執筆中の曲亭(滝沢)馬琴とその家族、そして絵師・葛飾北斎との交流を描いた「実の世界」と、『南総里見八犬伝』そのものを映像化した「虚の世界」の二つの世界を交互に、やがて交差させて描いた山田風太郎の小説の映画化。
この原作小説は、新聞連載当時に拾い読みしていた記憶がある。

「実」パートでは役所広司、内野聖陽、磯村勇斗、黒木華、寺島しのぶ、立川談春、中村獅童、尾上右近、大貫勇輔ら重厚な顔触れが、「虚」パートでは土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、小木茂光、栗山千明、大河内浩、丸山智己、真飛聖、忍成修吾、塩野瑛久、神尾佑らフレッシュな面々が揃っている。

「実」パートもフィクションである以上「虚」であるし、その「虚」パートも原作そのままではなくアレンジが加えられているのだから「虚」に「虚」を重ねて、という具合。
まこと虚実取り混ぜた一篇ということになる。

そして「虚」の物語が佳境に入るにつれ、何やら馬琴と北斎の解説付きで『南総里見八犬伝』を愉しんでいるような気分にさせられる。
今風な表現だと、作家自らが語るオーディオ・コメンタリー付き、といった感じだろうか。

そしてこの「虚」パート、単なるダイジェストかと思ったら意外にしっかりと作り込まれて入り、こちらだけでじっくり見たい気持ちにさせられた。
土屋太鳳の凛とした佇まいに、圧巻と言えるフィクションとしての存在感を発揮した栗山千明。
添え物にしておくには勿体ない。


by odin2099 | 2024-11-11 22:28 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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