『赤穂城断絶』(1978)
2024年 12月 14日
他の出演者は千葉真一、松方弘樹、西郷輝彦、渡瀬恒彦、近藤正臣、原田美枝子、森田健作、田村亮、丹波哲郎、若林豪、江波杏子、成田三樹夫、加藤嘉、遠藤太津朗、安井昌二、大滝秀治、藤岡琢也、金子信雄、芦田伸介、三田佳子、岡田茉莉子、三船敏郎ら。

面白かったという記憶はなく、むしろ退屈してしまっていたので殆ど記憶にない。
そのせいか新鮮な気分で愉しむことが出来た。
といっても松の廊下の刃傷沙汰や吉良邸討ち入りの場面は流石にあるものの、千葉真一が演じる不破数右衛門がやたら目立っていたり、脱落組である橋本平左衛門にかなりスポットを当てていたり(当時から印象に残っていたのも、この橋本平左衛門が内蔵助に恨み言を言いながらこと切れる場面だった)で、いわゆる「忠臣蔵」の名場面はほぼ割愛されているので、当時の自分がつまらなく感じたのも仕方なかったな、と自己弁護。
一旦は柳沢吉保が、内匠頭の弟・大学を立てての浅野家再興を容認したものの、上野介の再吟味を要求した内蔵助がそれを受け入れられないとわかるや、それを辞退してしまうとか、”逐電家老”大野九郎兵衛が京の内蔵助の元に金の無心に行った際に、内蔵助と間違えられて吉良方の刺客に惨殺されるなど、結構斬新な解釈がなされていたのは発見だった。
ただ違和感を感じたのが錦之介の芝居で、一人だけトーンが違うのは今になってわかる。
一人で時代劇の伝統を背負おうとしているかの如くに。
そしてそんな錦之介が演じる内蔵助も意外なほど出番が少なく、影が薄い(というか錦之介の出演シーンだけ浮いている)。
前作『柳生一族の陰謀』ほどのヒット作とはならなかったが、この後も『真田幸村の謀略』、『徳川一族の崩壊』と「東映大型時代劇」は続き錦之介も出演を続けた。