『名探偵コナン/沈黙の15分』(2011)
2025年 01月 10日
都知事に脅迫状が送りつけられ、都営地下鉄の開通式が爆破されるという事件が起こった。幸いにも爆弾に気付いたコナンにより大惨事は食い止められたが、都知事が国土交通大臣だった頃に建設したダムに鍵があると睨んだコナンたちは現地に飛ぶ。
折しもダム移設5周年を記念した式典の開催を前に多くの人が集まっており、そこでコナンたちは久しぶりに集まったという現地出身の幼馴染の5人組と知り合う。
だが彼らは、逸早く村から立ち退き裏切者扱いされている保険調査員、ひき逃げ事故を起こした元服役囚、ロッジの従業員、最後までダム建設に反対した土産物を造っている木彫り職人、診療所の看護師で昏睡状態の息子を抱えたシングルマザーら、その境遇はバラバラだった。
コナンが調査を進める中、その5人組の一人の遺体が発見される。
劇場版『名探偵コナン』15周年記念作品。
雪山を舞台にした派手なアクションが見物で、クライマックスはダム爆破の大スペクタクル。
しかし一見大スケールのミステリー・サスペンス物っぽくみせながらも、犯人の動機はすこぶるショボい。
割と早い段階でコナンくんが推理をペラペラと喋りだしてしまうのだが、そこに至るまでの伏線の張り方も今一つ。
更にその後で、「実は…」とコナンくんの推理に穴がある、あるいは思い違い・考え違いがありそうな前フリも用意するのだが、それも偶然に偶然が重なった不可抗力みたいなものなので、中身はスカスカだ。
それでも最後まで愉しく見られたのは、前述の通り大迫力のアクションシークエンスと、終盤でダム爆破の被害を最小限にとどめようと奮闘した挙句、行方不明になってしまったコナンを必死に探す蘭や少年探偵団のメンバー、それに小五郎たちのお涙頂戴的な芝居が上手くハマっているからだ。
ところで副題にある「15分」というのは、やっぱり「15周年記念」と引っ掛けてあるのだろうか。





