『妖星ゴラス<4K版>』
2025年 01月 13日

この作品もずっと大スクリーンで見たいと思い続けていたけれど、うん、面白かった!
巨大天体接近!地球衝突の危機!というシチュエーションの映画は山ほどあるが、何とかして相手の軌道を変えようとするか、あるいは相手を爆破しちゃうか、さもなければ地球を見捨てて選ばれた人だけ逃げ出すか、の3パターンのうちのどれかが選ばれるが、地球ごと逃げちゃおうという発想はこの作品くらいなもんだろう。
迫りくる巨大なゴラスに対し、この地球の軌道を変えて逃げちゃおうという発想は、色々とツッコミどころもあるのだけれども、所詮は空想特撮映画、どうせ嘘をつくならこれくらいどでかい方が良いってもんである。
それに毎度思うことだが、この映画の内容の濃さは特筆もの。
1時間半ほどの映画なのに、3時間クラスの超大作を見たくらいの満足度と疲労度がある。
逆に多彩な登場人物に、サラっと描かれるだけのエピソードの数々が勿体ないくらい。例えば隼号の艇長・園田と娘・智子の話とか、婚約者を失った滝子と金井の話とか、内閣の政争劇だとか、膨らませていけば1クール×60分くらいのドラマになりそうなくらいだ。
安易なリメイク、リブートには反対だけれども、ちょっと見てみたいな、とは思っちゃう。
ただその場合は、逆に怪獣マグマの出番は削って欲しいかな。
『海底軍艦』のマンダもそうだが、主人公たちの目的の障害として出てくるだけ(要するに時間稼ぎ)で、怪獣としての魅力に乏しいし。

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怪獣マグマが凄いかっこいい名前の怪獣だけど、「トドラ」でいいと思うくらいのウェイトの低さ。今だったら大量に発生するペンギンとかの方が工事工期遅らせるのには適当かもしれない。
そのあたりは、当時のデザインセンスや特撮技術の面もあるから仕方のない部分かもしれませんねえ。
それよりも気になるのは地球を元の軌道に戻す方法。
北極と違って南極は大陸だから巨大なエンジンを設置できた、と劇中でも説明されてますが、元の軌道に戻すには今度は北極に設置しなければならないはず。
ハッピーエンドのラストシーンの中で誤魔化してるけど、どうするつもりなんだろう??
それ以前に地球って自転してるんだから、出力とかどう調整しているのやら。