『俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。』 左リュウ

天堂家に仕える使用人・影人の主は、完璧お嬢様・星音。
ある日影人は同級生の女子に告白されたことを星音に報告する。
すると幼い頃から影人への想いを秘める星音は動揺しはじめて――
「私の方がずぅぅぅ～っと前から影人が好きなんだから！」
そして星音は影人に対してこれまで以上のアプローチを開始！　
満員電車で密着してきたり、一緒に寝てほしいとせがんできたり……生真面目に使用人であろうとする影人に星音が積極的に迫ってくる!!　
アプローチ頑張るお嬢様が可愛い主従ラブコメ！

以上、公式サイトより。完璧なのにポンコツなお嬢様の星音は、使用人の影人にメロメロなのだが、あまりに好きすぎて告白が出来ない。
その影人は文武両道、眉目秀麗で天然のタラシながら朴念仁（娘を溺愛する星音の父親から、女性に対する耐性を身に着けさせられたためなのだが）。
なので、全てを持ちながら本当に欲しいものが手に入らない星音と、”お嬢”への揺るぎない忠誠心を持ちながらも恋愛感情は一切ない影人とのラブコメディ、となる。

途中から活動休止中の世界的な歌姫・羽搏乙葉が登場し、影人と知り合ったことから星音と張り合うことになり（星音曰く「大型泥棒猫」）、更に２巻では天童家と並ぶ名家の令嬢で、星音をライバル視する四元院海羽（「大型泥棒猫第二号」）も参戦し、時には相手を出し抜こうとし、時には共通の障害に対しては共闘し、ということを繰り返すうちにいつしか友情が芽生え、という展開になっていく。

その２巻は非常に気になる終わり方をしているが、ひとまず３巻の発売は決まっているらしい。
WEB版では既にその先が描かれ、一足先に完結しているので書籍版も同様の流れになるのかなとは思うのだが、もうちょっとテンポの良い会話劇、それに４人のワチャワチャぶりを愉しみたかったなとも思う。
それに後もう一人くらいライバル猫が出て来ても良かったかな、と。