『営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常』 七転
2025年 02月 01日
弊社の営業課には美人と評判のエースがいる。
名前は秋津ひより、俺の同期である。
「入社時期が同じ」というだけでなく、なんと高校時代の同級生でもある。
人気者の彼女と学生時代からの知り合いだなんて、周りにバレると面倒だ。
なるべく彼女とは関わらないように過ごしているが……。
『昼一緒に食べられそうだけど、どう?』
なぜかランチを一緒に食べたり、帰り際に飲みにいったり、はたまた自宅で夕飯を食べるような仲になっていた。
これは社会の荒波に飲まれた残業モンスター達が美味しいご飯を食べるだけの話。
そして、同期社員がほのかに宿した恋心をゆっくりと育む話。

酔ったひよりは自分の家じゃなく有の家に直接帰ってくるのも珍しいことじゃなく、有のベッドを占拠するので有はリビングのソファで寝ることもしばしば。
おまけに有の家には着替えをはじめ、ひよりの私物がどんどん増えている。
そしてことあるごとに「結婚しよう」とか「一緒に住もう」と口にするひより。
これで付き合ってない、と言われても「噓でしょ?」となる甘々な二人が主人公のラブコメ。
ひよりは有への好意を隠そうともしていないし、有も有でひよりへの想いを自覚しつつもそれは表に出さない。
会社では学生時代からの知り合いだということは伏せて、ただの同期で押し通している。
両片想いどころか明らかに両想いなのに、どちらも一線を超えないのは、口に出したらこの居心地の良い関係が壊れてしまう、と恐れているからだろうか。
先行しているWEB版では、有は取引先の担当として再会した元カノから持ち掛けられた復縁の申し出も、慕ってくれている職場の後輩からの告白も断ってひよりと同棲を始め、その後は遂にプロポーズをするというところまで漕ぎつけたのだが、書籍版も早く続きが出て欲しい。
だが結婚してしまうと物語も終わりかなあ。
もうちょっと二人のやり取りを読んでいたいのだが。