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『デレたい彼女の裏表』 五月蒼

東雲氷菓は、真島伊織の幼馴染だ。
昔は仲良かった氷菓だが、中学のある時期からその態度は豹変する。
甘々だった氷菓は、名前の通り氷の女となり、顔が合えば冷たい言葉を投げかけてくるように。
しかし、伊織に対してグイグイ来るもう一人の幼馴染、雨夜陽の登場で、氷菓の伊織に対しての対応も変わり始め……

『デレたい彼女の裏表』 五月蒼_e0033570_20463039.jpg氷菓は小学生の途中で伊織の隣家に越してきた少女。
家族同様の付き合いをしていたが、中学に上がるあたりから疎遠になり、今じゃ会えばキツイことを言うクール系の美少女。

一方の陽は陽キャで天真爛漫な美少女で、伊織とは幼馴染。
小学生の途中で引っ越して行ってしまったが、今回伊織たちの隣のクラスの転校生として戻ってきた。
しかし伊織は陽のことをてっきり男の子だと思っていたのと、周りを気にせず距離をドンドン詰めてくるので戸惑うばかり。

そんな二人の美少女に挟まれた伊織の気持ちが大きく揺れる…というお話なのかと思っていると、実はちょっと違う。
伊織は氷菓も陽も美少女だと認識はしているものの、どちらか、あるいは両方に恋愛感情を抱いている訳ではなさそうだ。
まあ伊織には瑠香という、これまた美少女の妹がいて、結構なシスコンぶりを発揮してるというのもあるのかもしれないが。

ということで、ライバル出現に焦った氷菓がツンデレを発動させて暴走するお話、というのが正しそう。
陽も陽で、伊織に対して無意識に過剰なスキンシップを取ったりするけれど、その本心はわからない。
氷菓の伊織に対する気持ちには気付いてるようで、一応は後押ししようとする素振りは見せているから三角関係とまでは行ってないし、メインキャラが定番な属性盛り盛りな割に、そんなに取っ散らかった印象は受けない。
これからの展開次第ではどう転ぶかわからないけれども。

実はWEB版はもう完結していて、今回の書籍版はその第一章のリライトということになる。
なので順当に行けば二章分が続巻として出るのかなと思うのだけれど、そうなると第3のヒロイン(流星佳)が出て来て氷菓の暴走ぶりが加速するはずなのだが、対照的に陽の存在感がやや薄れるのでリライトの際にはもうちょっと出番を増やして欲しいところ。
それと、名前だけの登場に終わった、かつて伊織をフッた少女(島崎日和)も、何らかの形で出て来たら面白いかも。
by odin2099 | 2025-02-12 20:47 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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