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『キャプテン・アメリカ/ニュー・ブレイブ・ワールド』(2025)

*** ネタバレ注意! ***

『キャプテン・アメリカ/ニュー・ブレイブ・ワールド』(2025)_e0033570_19395547.jpg昨年は1本しか公開されなかった<MCU>の劇場用作品、今年は3本予定されている内の第一弾。
『キャプテン・アメリカ』主役の4本目だが、スティーブ・ロジャースに代わってサム・ウィルソンが2代目キャップを襲名しての新シリーズの1本目ということになる。

ただ、大統領になったサディアズ・”サンダーボルト”・ロス、Mr.ブルーと呼ばれたサミュエル・スターンズが物語の中心におり、ロスと娘のベティ(リヴ・タイラーが復帰)との和解が大きなテーマになっているため、『キャプテン・アメリカ4』というよりも『インクレディブル・ハルク2』の側面が強い。
そして『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の続編であることは勿論、『エターナルズ』や『ブラック・ウィドウ』の後日談にもなっている。

とはいっても当然主人公はサムであり、スティーブ・ロジャーズとの差を痛感し、キャプテン・アメリカという重責に押しつぶされそうになっている彼が、超人ではない一人の人間として誇りを持って盾を担う決意を固めるあたりは、フェイズ1や2の頃の<MCU>映画を彷彿とさせてくれ、フェイズ4以降の<MCU>に不満や違和感を持ち続けていた初期の頃からのファンの渇きも、ひとまず癒えるのではないだろうか。
そんな彼を支えるのが、出演を否定し続けていたセバスチャン・スタン演じるバッキーなのも嬉しいサプライズだ。

クリス・エヴァンスがカメオ出演するという噂はあったものの、スティーブ・ロジャースは名前が出るに留まったのは正解だったと思うが、これだけ言及されるのならばブルース・バナーやエミル・ブロンスキーが顔を見せてくれても良かったなとは思うし、ハリソン・フォードではなくウィリアム・ハートのままのロス大統領で見たかったとも思う(回想シーンでハリソンは口ひげを生やしてロスを演じているが、似合ってない)のだが、トム・クランシー風のポリティカル・サスペンス風味を持ち込んだことといい、この作品を一つの起点として<MCU>が次のステップへと進んでくれることへの期待を込めて及第点としたい。

劇中で政治の世界へ進んだことが明らかになったバッキーは、今後はヒーローとして以外の顔も見せてくれるのだろうか。
またエンドクレジットでのスターンズとサムの会話は、マルチバースからの侵略の預言ということなのだろう。
そろそろ次の「アベンジャーズ」映画が愉しみになってきた。

【ひとりごと】
米大統領に対して真っ向から「No!」を言える日本国総理大臣、現実にはいやしない。


Commented by ふじき78 at 2025-02-17 20:58
レッドハルクとの戦いが盛り上がったので、作品としては凄く満足してます。個人的には理解できないリンクも多々あったが、スルーしても映画としては問題なかったから。

クワントマニアとかももういいから、多重次元とかも合わせて同じ人物が何人も同時存在と言うのはやめてもらいたい。
Commented by odin2099 at 2025-02-20 21:00
> ふじき78さん

なんだかんだでサム・ウィルソンというキャラクターが格好良く描けてればこの映画は成功なんだろうと思うし、その点では十分に及第点を上げられる。
by odin2099 | 2025-02-17 19:43 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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