『デビルマン/妖鳥シレーヌ編』(1990)
2025年 02月 24日

世界観や設定の説明にかなりの時間を費やした前作に比べると(といっても概ね原作通りなのだが)、今回はアクションに振り切った作品になっている。
前半は魔獣ジンメンとの戦い、後半が妖鳥シレーヌとの戦いに分かれていて、この二つが繋がっていないので2話分を見てる感覚になるのがちょっと勿体ないかな、とは思う。
不動明の覚悟を示す意味でジンメン編は必要だったのだろうが、それならこの時の戦いからシレーヌが何らかの情報を掴む、策を練るという、シレーヌ編のプロローグの役割を果たせていれば…と考えるのは贅沢だろうか。
原作を改変するな、とのお叱りの声も聞こえてきそうではあるし。

入浴中にデーモンに襲われるというシチュエーションがある関係で、牧村美樹はその登場シーンの大半がヌードだし、対するシレーヌはトップレス。
いや、トップレスというより、あのシレーヌの下半身の意匠は……。
デビルマンというより不動明も結構すっぽんぽんの場面が多いので、デビルマンとシレーヌの絡み(戦い)は何やら倒錯的だが、これは原作者が原作者だし、スタッフもわかってやっているのだろう。
完結編となる『アーマゲドン編(ハルマゲドン編)』も企画され、発売も告知されたものの実現しなかったのは残念だった。
確か『アーマゲドン編』の前に、オリジナルストーリーで『魔王ダンテ編』を製作、というような話もあったように記憶しているが、『デビルマン』のプロトタイプとも言える魔王ダンテがどのようにデビルマンと関わる構想だったのか、そちらも気になるところだ。
【ひとりごと】
今回の試み、なかなか嬉しかったけど、ランニングタイムを考えると2本立てでも良かったなあ。
まあ通常よりも低めの特別鑑賞料金だったけどね。