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『義妹生活』 三河ごーすと

最新の13巻と、外伝を収録した「another days」の2冊が同日発売。

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二人の季節は巡り、二度目の冬が訪れる。
これは高校生活最後の物語。
12月の学校は、人が少なく静かだった。
受験勉強に取り組みながらも、青春の残り時間を儚んで、悠太と沙季は惜しむように登校を続けていた。
季節は廻り、受験が迫り、時の流れと抗えない変化の訪れを感じていく。
そうして今年も終わりを迎えようとしていた。
そんな中、太一と亜季子は受験を間近に控えた悠太と沙季を家に残し、綾瀬家の実家に帰省することに。
残された二人はまるで夫婦のような幸せな時間を過ごすことになり――。
二人きりの年越し、受験本番、卒業式、思い出の家族写真、合格発表、秘密の添い寝。
人生の壁を前に癒やし合う“兄妹”が次のステージへ向かっていく、恋愛生活小説、第13弾。

物語の始まりが高校2年生の6月だったから、物語内時間経過は1年と9カ月。
本作で二人は高校を卒業し、各々の志望大学への進学が決まった。
12月から3月までの期間が描かれているが、二人の受験に向けての日常描写が殆どで、イベントは封印され、また二人を取り巻く周りの人たちの出番も控え目。
なので大きな区切りを迎える一冊ではあるものの、割と淡々とした、あっさりとしたものになっている。
大きく物語が動くのは14巻からかな。
初夏発売予定とのことなので、あと数カ月の我慢だ。
そして――

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これは『義妹生活』のもう一つの物語。
「──小説を書くときに私が書き忘れてしまったことを、上野監督やスタッフの皆さんがきちんと見落とさずに拾ってくれた──そんな印象を持っています」(本文より引用)
2024年7月に放送を開始し、大好評の内に放送を終えたTVアニメ『義妹生活』。
その各話放送後に、Xで綴られた原作者・三河ごーすとの熱い想い。
それらのテキストを改稿したものと、読売栞の過去を彼女の視点で描いた書き下ろしの外伝小説──「グッド・バイ」を収録。
作品の奥深い魅力を増幅するための、ファン必携の一冊が登場!

こちらはTVアニメ放送中に、作者が毎週Twitter(X)で更新していた覚書(?)を一冊にまとめたもの。
アニメは原作3巻までだったから、悠太と沙希がまだ高校2年の夏のお話で、最後に二人がお互いの気持ちを確かめ合うところで終わる。
毎回放送終了後にTwitterをチェックしていたけれど、こうやってまとめて読めるのは有難い。
そして……またアニメ版、見たくなっちゃったな。

後半はみんな大好き読売栞主役のスピンオフ。
読売先輩の過去、なかなか重いものがある一方で、悠太との初対面の様子が読売先輩の一人称で綴られているのが新鮮。
本編は悠太もしくは沙希のモノローグが基本なので、読売先輩が本当は何を考えているのかはわからないのだが、悠太と読売先輩が仲良くなっていく過程が微笑ましくて…。
これ読むと読売先輩ガチ勢が更に増えそうだ。

ちなみに13巻には初めて、丸友和視点のモノローグと奈良坂真綾視点のモノローグのパートが用意されている。
この読売栞視点のものも含め、これから「外伝」という形で他のキャラクターにも触れてもらえないものかなあ、とふと思う。


by odin2099 | 2025-03-03 20:38 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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