『営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常』2
2025年 03月 09日
ご飯を一緒に食べるだけの仲であり男女の関係はない……はずだったのだが、もうそろそろ自分の気持ちを誤魔化すのも限界だと思う。
仕事から帰るのが遅くなった日でも、あの食欲モンスターと軽口を叩き合いながら一緒にご飯を食べるときは、いつも心が穏やかで。
かけがえのない瞬間をこれからも日常にしたくて。
くだらなくも愛おしい毎日と、それを確かにしてくれる彼女を離したくなくて。
「なぁやっぱり好きだわ。ひより」
これは、同期社員たちの宿した恋心が確かに色づき始める話。

そして遂にひよりにプロポーズ、というところで目出度くこのお話も完結した。
有とひよりは高校時代から仲が良かったが、大学へ進学してから疎遠になり、たまたま同じ会社に同期入社したことから再び接点が出来、ということなのだけれども、なーんか二人の距離感が不思議。
ひよりは高校の時から有のことが好きだった、という独白があるのだけれど、有がひよりをどう思っていたのかは曖昧なまま。
大学時代に有はあいと付き合っていたのだから、ひよりに対しては何も思うところがなかった?
いや、実は君たち、高校の時につき合ってたんじゃないの?
――とでも考えないと、入社して最初の同期会から距離詰めすぎ。
いくら同じマンションに住んでるからといって、お互いに合鍵を渡して半同棲生活ってのは早すぎない?
反対に、半同棲状態になってからの進展は遅い。
あからさまなひよりからのアプローチをのらりくらりと躱し、同居や結婚どころか恋人であることすらも否定。
そんな中で可愛い後輩や元カノが出現してイイ感じになった(ように感じられる)とあっては、ひよりってばかなり我慢強いのか、それだけベタ惚れだったのか。
それでも今回でようやくゴールインなのだけれども、その過程はちょっとあっさり。
取引先のあいが元カノと発覚した時、ひよりが単なる同期じゃなく高校の同級生だったことがバレた時、周囲は結構大騒ぎしたのに、ひよりに彼氏が出来たらしい?という噂は盛り上がったものの、同棲や結婚の件はあんまり騒がれていないような…?
もっとドタバタする二人の姿を読みたかったもんだ。
で、書籍版はこれで完結したものの、WEB版はまだ「その後」の二人の様子が書き綴られている。
これでオシマイも勿体ないので、もうしばらく続けてくれると嬉しいものだ。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/33503613/