『ウィキッド/ふたりの魔女』(2024)
2025年 03月 10日

途中で何度か延期になり、その度にヤキモキさせられたが、ようやくスクリーンで見ることが出来た。
といってもあちらじゃ11月に公開された作品が、こちらでは3月。
後編は同時公開をお願いしたいところだが、今のところ公開時期の情報は入ってきていない。
さて、何度も何度も舞台で見た作品を、映画として見るというのはちょっと不思議な感じがする。
登場人物が多少増えたり、キャラクターの掘り下げが行われたりということはあるものの、場面が付け加えられたり削られたりといった大きな改変はなく、使われている音楽・歌も(新曲はあるものの)舞台版そのままだからだ。
吹替で見ていると歌詞が劇団四季版と違うから(といっても同じフレーズもあるので尚更)、何か替え歌を聴いているような気持になることはあるが、「グッド・ニュース No One Mourns the Wicked」のナンバーで始まり、「自由を求めて Defying Gravity」で終わる、その構成は舞台版と同じだし、ステージという狭い空間を離れて大きなスクリーンに描き出されるオズの国の世界――シズ大学、エメラルド・シティetcetc――にはワクワクさせられた。
そういえば、原作小説にはあって舞台版にはない「ガリンダ」が「グリンダ」と改名する件があったことや、例のパーティの一件があった後、エルファバは普通にクラスメイトと挨拶を交わしていたり、オズの魔法使い陛下に招かれてエメラルド・シティへ向かう際には、グリンダやフィエロ以外にも見送りに来てくれた学生が大勢いたり、というのは驚かされた。
またエルファバが魔法使い陛下と決裂した後の、マダム・モリブルの「悪い魔女」宣言を聞いたフィエロやネッサローズらのリアウションを拾ってくれたのも、これからの展開をよりエモーショナルに見せるための仕掛けなのだろう。
配役が発表された際エルファバとグリンダのキャストが自分のイメージとは違ったことや、上映時間が160分もあることで期待値は若干下がってはいたものの、蓋を開けてみれば堂々たる大作の風格があり、序盤から涙腺が緩みっぱなしだった。
メインの吹替キャストに関しては少々モノ申したい思いはないでもないが、先ずは満足いく出来栄えで後編も楽しみだし、今度は字幕スーパー版でもう一度見に行こうかと考えている。
【ひとこと】
エルファバの母親の浮気相手、吹替だと声で誰だかわかってしまう…。