『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件』 脇岡こなつ
2025年 03月 12日
「――実は私、運命的な出会いをしたんです」
「私もバイト先の常連さんに気になる人がいるんだ~」
類いまれなる美貌から男女問わず尊敬と羨望を込めて、《S級美女》と呼ばれる女子高生の姫川沙羅、小日向凛、高森結奈。
誰もが羨む彼女たちの恋バナにクラス内がざわつく中、クラス一地味な赤崎晴也は心の中で焦っていた。
実は彼女たちが話題にしている男性こそ赤崎晴也なのだ!!
絶対に学校で目立ちたくない晴也はどうにかして彼女たちからの興味をなくさせようと動くのだが、全てが裏目に出てしまい……。
地味系男子と《S級美女》の学園ハーレムラブコメ、開幕。

これだけで正体がバレないものかなあとは思うのだが、そこにツッコンだらお話が成立しない。
といっても1巻で沙羅には正体がバレてしまうし、2巻ではSNSを通じて少女漫画という共通の趣味で繋がっていた結奈に疑いを持たれる。
そして3巻からは喫茶店のバイトと常連客という関係だった凛に、赤崎晴也本人として好意を向けられるという展開に。
最新刊は先日出た4巻で、コミカライズ版の1巻も出たばかり(こちらは小説版1巻の半分あたりまでが漫画化されている)。
結奈も気になる相手が晴也だとほぼ確信しているのだが、3人がお互いに気になってる相手というのが、実は同じ人物=赤崎晴也だということは気付いていない。
このまま面倒くさい四角関係が出来上がってしまうのか、それとも捻った流れが待っているのか。
ただ”負けヒロイン”が量産されるだけでは芸がないし、ここは作者のお手並み拝見といこう。