『白雪姫』(2025)
2025年 03月 23日

まずは魔法の鏡へ一言。
「白雪姫より女王様の方が美しいじゃん!」。
これ、以前作られたクリステン・スチュワート主演の『スノーホワイト』でも思ったんだよね。
シャーリーズ・セロンの女王の方が綺麗じゃん!って。
ジュリア・ロバーツが女王、リリー・コリンズが姫を演じた『白雪姫と鏡の女王』は微妙だったけれど、あっちはまあ、コメディ映画だったから。
さて、今回炎上しちゃった白雪姫の中の人は、美人とか可愛いというより”個性的”なマスクというのかな。
ディズニープリンセスらしい気品やチャーミングさには少々欠ける印象。
『シンデレラ』や『美女と野獣』は良かったし『アラジン』も悪くなかったのに、『リトル・マーメイド』といい本作といい、なーんで素直にアニメをトレースして実写化しないのかなあ。
アニメ版のファンは改定された実写版なんか望んじゃいない。
王子様は登場しない代わりに姫と恋仲になるのは、元俳優で山賊団のリーダーだというイモ兄ちゃんだし(だから真実の愛が云々で、そんでもってキスで蘇生という流れがしっくりこない)、CGIで描かれる7人のこびとたちは、アニメ版のキャラをそのまま立体化したかのような存在感だが正直言って不気味だし、アニメ版の歌も思ったほど流れないし(「ハイホー!」とか「口笛吹いて働こう」ぐらい)、そのミュージカルシーンの演出が映画というより平板な舞台的だったり、ラストがアレアレ?と思うくらいあっけないし……と不満点を挙げていくとキリがない。
酷評されるほどではないと思うし、ポリコレや政治的発言は気に留めず、製作の舞台裏の雑音もシャットアウトすれば、薄っぺらいなりに愉しめるんじゃないのかなあとは思う。
まあ自分には合わなかったので、面と向かって「つまらん」とまでは言わないけど、ハラハラドキドキワクワクは最後まで味わえなかったな。
ところで、プロデューサーのマーク・E・プラットって『ウィキッド/ふたりの魔女』のプロデューサーでもあるのだけれど、日本ではこの2本が同時期公開になってしまったことをどう思ってるのだろう?
どちらも魔法だ、魔女だ、とキャラやシチュエーションが被っていて、一般観客には混同されかねないと懸念しているので苦々しく思ってなければいいのだけれど。
いや、それとも気にしてないかな。
相乗効果でどちらもヒットしてくれりゃ儲けもの、くらいに思っててくれればね。