『教皇選挙』(2024)
2025年 03月 26日

次期教皇を決めるコンクラーベを執り仕切ることになったローレンス枢機卿の元には、世界各国から100人を超える候補者が集まった。
保守派、リベラル派といった対立や出身地、それに急遽加えられた謎の人物がいたり、降ってわいたようにスキャンダルが勃発するなど、票は割れ、水面下での工作も始まるというミステリー物。
ヒリヒリするような緊迫感の中で行われる投票、その前後での枢機卿たちの駆け引きは、俳優たちの抑えた芝居が光っていたが、体調があまり良くなかったこともあったのだが、その淡々とした展開の中で途中で何度も睡魔に襲われてしまったし。
見応えは十分なれど、評判の割には自分はあまり愉しめなかったかな。
なかなか三分の二以上の票を集める枢機卿が現れず、有力候補者が二転三転する中で、最終的に誰が新教皇に選ばれるのかは比較的早い段階で見当がつくし、途中で脱落していく有力候補者のスキャンダルの内容もあまりピンとこなかったのは、自分が清廉潔白な人物などいないと聖職者に何も期待していないからだろう。
最後の最後のオチも同様。
これがどれだけ凄いことなのかを理解するには、自分はあまりにも不勉強過ぎた。
勿論頭の中ではわかっているつもりではあるのだが、前教皇が如何に周到だったのか、先見の明があったのか、革新性を持ち合わせていたのかが、自分の中でストンと腑に落ちないのだ。
また「極上のミステリー」という宣伝文句から、前教皇の死因にも何らかの謎が隠されているのかと、明後日の方向に思考が飛んでしまったのも敗因の一つだろう。
それはコンクラーベを題材にしたミステリー・サスペンスというと『天使と悪魔』が思い浮かんだからでもあるが、同じようなシチュエーションで幕を開けるものの、当然のように両作品の目指す方向はまるで違う。

前教皇があの人を枢機卿として選んだのは次期教皇という意識まではなかったと思いますね。ただ人間力が誰よりも一番上質だった。
前教皇はかなりの改革派かつ実行力のあった人っぽい。
アノ人の抜擢もそうだけど、スキャンダル抱えてたヤツの首切ったりもしてるし。
だからこそ密かに殺められたのかと余計なことを考えてしまいました。
ローレンス卿が候補に残ってるのは、確かに信頼を得てる人ではあるのだろうけど、
その反面煙たがられてもいそうなので、嫌なことは嫌な奴に押し付けようという心理も働いているのかも。