『機動戦士ガンダム／逆襲のシャア』

最近は『ファースト・ガンダム』三部作にこの作品をプラスして、『ガンダム』は四部作という認識、もしくはセールスの仕方が目につくようになった（あるいは『Ｚガンダム』三部作も加えて七部作とする場合も）。
アムロとシャアという最初期からの主人公とそのライバルに話を絞った場合、それも頷ける話ではある。
少なくてもこの作品が、「第一部完結編」のポジションにあると受け止めるのは妥当なところだろう。

ただ作劇上でいうならばこの作品は『ファースト』の延長線上というよりは、明らかに『Ｚ』、『ＺＺ』を踏まえたものになっているし、以前にも述べたようにキャラクターの配置は『Ｚ』の焼き直しに見える部分も多い。
なので、『ファースト』三部作の最後である『機動戦士ガンダムIII／めぐりあい宇宙篇』の直後にこの作品を置くのは、個人的には納得いかないものがある。

だがTVシリーズの『Ｚガンダム』をまとめた劇場版『Ｚ』は、新釈版と称して以後の作品群への流れを断ち切ってしまったし、『ＺＺ』も簡易に視聴する術がない以上、TVシリーズ全話の視聴を勧めるのも現実的ではないし、そこは割り切るべきなのかなと思料する。

むしろ『ガンダム』初心者に対しては、最低限の予備知識は必要かと思うが、いっそのことこの『逆襲のシャア』単独での鑑賞を勧めるのも、強ち間違いではないのかも知れないと愚考するようになった。
全くの一見さんはお断り状態ではあるものの、それだけこの作品が独立した、一本のアニメーション作品として評価すべきものだと確信しているからだが、その是非は問うまい。
要は一人でも新たにファンとなる観客が得られれば良いのだから。

＜過去記事＞
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