『フリー・ウィリー3』(1997)
2025年 04月 26日
ウィリーとの別れから数年後。
ウィリーは新しい仲間や恋人らと幸せな日々を送っていた。
一方、17歳になったジェシーは自らを変えてくれた海への恩返しのため、友人ランドルフらとともに海洋調査のアルバイトを始める。
そこで知り合った周防年マックスと仲良くなるジェシーだったが、マックスは父ジョンが違法捕鯨業者であることを知り苦悩していた。
二人はランドルフらの力を借り、この大量殺戮を止めようと奔走するが、その間にも捕鯨業者の魔の手がウィリーに迫っていた…。
ジェシーたちはウィリーを、愛する海を守ることができるのか!?
美しい自然を背景に、人間とシャチの友情を描いたハートフル・アドベンチャーの完結編。

その少年とシャチが再会し、今度は海の自然を守ろうと奮闘する。
そんなシャチと少年の友情を描いてきた前2作に較べると、今回のお話は些か重たい。
違法な捕鯨は悪だと断定するのは容易いが、ではそれ以外に生活の糧がない人たちはどうなる?
娯楽作としての限度を弁え、明確なメッセージの発信こそ行っていないが、然りとて綺麗ごとで終わらせてもいない。
ただどっちつかずにも見えてしまい、それらを上手く消化しきれていないモヤモヤが残ってしまうし、前2作よりも明らかにスケールダウンしたことによる尻つぼみ感も覚えてしまうシリーズ第3弾だ。
スケールダウンといえば、ついにジェシーとランドルフ以外いなくなってしまった。
弟やガールフレンドはどうしたんだろう?(辛うじて養父母は名前だけ出てくるが)。
また相変わらずナンパなジェシーの一面が見られるが、この分じゃガールフレンドに愛想を尽かされたのかも知れん。
また世代交代を目論んだのか、ジェシーの外にもう一人、捕鯨業者の息子という少年が出て来て、彼がウィリーと交流を深めるという展開があるため、二人主人公の扱いだし、ラストにはウィリーにも子供が生まれる。
尤も世代交代ではなく、シリーズの幕引きを意図したものだったのかも知れないが。
何よりも納得いかなかったのが、音楽がベイジル・ポールドゥーリスからクリフ・エイデルマンに交代になったこと。
これも予算の都合だろうか。
エイデルマンの音楽も雰囲気はあって悪くはないのだが、このシリーズはポールドゥーリスの音楽あってこそ。
しかもお馴染みのテーマ曲や、ジェシーとウィリーを繋ぐあのハーモニカのメロディといった重要なスコアは、そのまま使われているのだ。
『フリー・ウィリー』シリーズ、そしてベイジル・ポールドゥーリス双方のファンとして、やはり納得がいかない。
有終の美を飾って欲しかった。
(公開当時のメモにも殆ど同じようなこと書いてた)