人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(2024)

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(2024)_e0033570_09582412.jpgピンチだよ、偉人集合! 最強ヒーロー内閣、ここに爆誕!!
時は2020年、コロナウィルスが猛威を振るい日常を奪われた日本。
国内どころか世界中が大混乱に陥る中、首相官邸でクラスターが発生、あろうことか総理大臣が急死。
そこで政府が実行した最終手段、それは「AI・ホログラムにより歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくる」という前代未聞の計画だった。
総理大臣を託されたのは“江戸幕府を作り上げた伝説の男”徳川家康(#野村萬斎)。
そして、日本史に燦然と輝く大スターたちが議員バッジをつけて入閣。
官房長官を“幕末の風雲児”坂本龍馬(#赤楚衛二)、経済産業大臣を“最強にして最恐の革命家”織田信長(#GACKT)、財務大臣を“空前の成り上がり者”豊臣秀吉(#竹中直人)、ほかにも紫式部(#観月ありさ)、聖徳太子(#長井短)、北条政子(#江口のりこ)、徳川吉宗(#髙嶋政宏)、徳川綱吉(#池田鉄洋)、足利義満(#小手伸也)など通称≪偉人ジャーズ≫によるドリームチーム内閣が誕生する。
圧倒的なカリスマに加え、政策を推し進める“えげつない”実行力に人々は驚愕し、日本中が熱狂していく。
そんな中、テレビ局の新人記者・西村理沙(#浜辺美波)はスクープを取ろうと政府のスポークスマンである坂本龍馬に近づくのだが、
ひょんなことから偉人ジャーズの活躍の裏に渦巻く黒い思惑に気付いてしまう――
果たして、陰謀の正体とは?
そして、日本史に新たに刻まれる“事件”の真相とは?! 続きは劇場で!

予告編を見て「面白そうだな」とは思ったものの、結局劇場ではスルーしてしまった。
さてどんなものかと見てみたが……

前半はなかなか面白かった。
特にいきなり流れて来た『大江戸捜査網』のテーマ曲はアガった。
内心、本当は大河ドラマのテーマ曲流したかったんじゃないのかなーと思いつつ、改めてこのテーマ曲の格好良さを再確認した次第。

AI使って偉人を蘇らすという仕組みがよくわからないし、復活した偉人ジャーズ?が皆生前の記憶を持ってるというのも理解出来なかったのだが(本人の骨とか、そういうものから復活させたのなら兎も角、結局は都合よくプログラミング出来るんじゃないの?)、そのあたりは目を瞑って豪華なキャスト陣を眺めているだけでワクワク感は味わえた。
竹中直人とか山本耕史とか、過去に演じたのと同じ役にキャスティングされている面々は違和感ないし、野村萬斎を向こうに回してのGACKTの存在感とか、赤楚衛二のフレッシュな熱演も良かった。

ところが途中で「船頭多くして…」じゃないけれど個性的な面々の集まりに不協和音が聞こえだし、おまけに偉人内閣誕生の裏側にキナ臭いものが見えてきて、そこからのラストシークエンスは説教臭いし、何だか綺麗ごと並べてるだけだなあ、とちょっと落胆。
今の政治に対しての痛烈な風刺でも盛り込まれてるのかと期待したし、内閣誕生に関して与党にもっと思惑があるのかと深読みしてしまったのだけれども。
それに浜辺美波の熱演は空回りしているようで精彩を欠いているように感じたし、野村萬斎に家康のイメージはないなあ。

ということで全体的にはやや期待外れの作品だった。
そして企画を聴いた時に連想したのが室積光『史上最強の内閣』という小説なのだが、こっちの映画化もイケるんじゃないかなあ。

【ひとりごと】
日本の王になろうとした人物、と聞いて真っ先に連想したのは、信長でも秀吉でもなく足利義満だった。
考えすぎだった…。



『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(2024)_e0033570_230965.jpg

Commented by ふじき78 at 2025-05-10 20:23
AI化すると言うのは既存の知識(ネット、書物)などを情報として全て吸収し、それを人格がある物のように再構築するという事なので、物質的な事物の有無はあまり関係ない。
徳川家康なんかは昔の知識では「狸親父」だったけど、昨今の知識ではジャニーズが演じていたりするので外見スラッとしてしまうかもしれない。内面は伝記や講談、小説家などをこうだろうって平均化する。あくまで平均化なので本物とイコールにはならないかもしれないが、日本人が信じるそれぞれの英雄像にはなるので一応問題はないかな、と。
Commented by odin2099 at 2025-05-10 21:41
> ふじき78さん

結局は本物の家康や信長、秀吉がどうするか?ではなく、現段階の研究から類推される性格等々から作りあげられたものということですよね。
なのに劇中では、あたかも本人が現世に蘇ったかのような描写がなされているのが納得いかないなあ、ということで。
だから『ジュラシック・パーク』じゃないけれど、何らかの形で本人のDNAを入手するかなんかして、それで復活させたんならわかるんだけど、と思っちゃうのでした。
by odin2099 | 2025-05-10 10:09 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』)


by Excalibur(エクスカリバー)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30