『MARVEL STUDIOS INFINITY SAGA CONCERT EXPERIENCE IN JAPAN』
2025年 06月 02日
ところがプログラムもないし、演奏曲のリストもないのでアレレ?と思っていると――
<インフィニティ・サーガ>の諸作品の名場面を映し出し、スコアを生演奏するというシネマ・コンサートだった。
台詞や効果音はそのままに、音楽のみ生演奏で再現するというヤツだ。

その後に主要なキャラクターが駆け足で紹介されると、次は記念すべき第1作『アイアンマン』から。
テロ組織に拉致されるもスーツを作成して脱出し、改良を重ねて飛行テストを行う件がスクリーンと生演奏で蘇るという趣向で、その後は『アイアンマン2』を含めた名場面集となる。
続いて『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』から同様の趣向で代表的なメロディーが奏でられ、その次は『マイティ・ソー』のパートとなり、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』を含めて構成され、最後はロキが虚空へ消えていく場面で終わる。
それに続くのは『アベンジャーズ』。
ロキがドイツに出現し、そこにキャプテン・アメリカ、次いでアイアンマンが駆けつけ、更に護送中のロキをソーが連れ去ろうとする場面が映し出される。
そしてハルクが駆けつける場面からNY決戦の模様が再現されるといった具合だ。
それから『ドクター・ストレンジ』、『アントマン』、ワスプが登場してからは『アントマン&ワスプ』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『スパイダーマン/ホームカミング』を引用してのスパイダーマン、『キャプテン・マーベル』、『ブラックパンサー』のパートが続いて演奏されていく。
ここまででコンサートは1時間を超え、INTERMISSIONへと入るが、ボルテージは上がりっぱなしだ。
後半は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』からガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを紹介し、いよいよ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へ突入する。
ワンダとヴィジョンが襲われ、キャップ、ブラック・ウィドウ、ファルコンが駆けつける場面から、タイタンでのアイアンマン、ストレンジ、スパイダーマン、ガーディアンズとサノスとの対決、そしてワカンダでのキャップやソー、ブラックパンサー、ウォーマシン、ファルコン、ブラック・ウィドウ、ヴィジョン、ワンダらの戦いとサノス・スナップ…。
この人々が消えていくシーンには、途中に『アントマン&ワスプ』でアントマン以外が消えるシーンや、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でホークアイの家族が消えるシーンも挿入され、一層絶望感を感じさせる演出が施された。
画面に「5年後」とテロップが出て、遂に最後の『アベンジャーズ/エンドゲーム』のパートが始まる。
残ったアベンジャーズのメンバーはタイム泥棒作戦に出発するのだが、ただ一人ブラック・ウイドウだけは戻ってこなかった。
彼女を追悼する場面では、唯一<フェイズ4>から『ブラック・ウィドウ』の場面も組み込まれていた。
その後はアイアンマン、ソー、キャップとサノスとの戦い。
キャップがムジョルニアを手にする件から、「アッセンブル!」まで正に息を尽かせない怒涛の展開だ。
そして最後は「私がアイアンマンだ」。
トニーとナターシャンの追悼、そしてカーテンコールの如く紹介されるメンバーたち。
この場面では『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』など、これまで使われていなかった映像も流れ、フィナーレに相応しい盛り上がりだった。
しかしこうやってまとまったものを見せられると、現行の<マルチバース・サーガ>が納得いく形で終わるのか、甚だ疑問に感じてしまう。