人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』(1964)

時代は1960年代、日本の高度経済成長期の真っ只中。
人々は読売巨人軍の4番打者・長嶋茂雄の活躍に夢を重ね、熱狂していた。
前年シーズン、入団以来初の2割台の打率と無冠に終わった長嶋は箱根の山中に籠り復活を期したトレーニングを重ねていた。
そして始まった1963年シーズン、巨人軍は勝ち続け長嶋の打棒は冴え三冠王へ突き進んでいた。
だが長嶋を応援する少年ファンの突然の事故死や、デッドボールの不運が長嶋に降り注ぐ。
己の打棒を信じてひたすら勝利へと突き進む長嶋の命運は……!?
世界のホームラン王・王貞治、V9監督・川上哲治をはじめ、当時の巨人軍のスター選手が勢揃い。
長嶋を見守る球団スタッフ役にフランキー堺、熱狂的ファン役を伴淳三郎が演じる。
その他、淡島千景、沢村貞子、大空真弓など豪華キャストが総出演する感動のドラマ!

『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』(1964)_e0033570_22070784.jpgあの長嶋茂雄の主演映画である。
他の出演者は読売巨人軍より川上哲治、広岡達朗、藤田元司、国松彰、王貞治、柴田勲、武宮敏明、西鉄ライオンズから中西太、そして伴淳三郎、大空真弓、淡島千景、フランキー堺ら。
脚本は八住利雄、監督は佐伯幸三。

そうは言いつつも、実際はゲスト程度の出番なんじゃないかと疑っていたものの、プロの俳優たちと堂々と渡り合い、主演俳優の貫禄十分。
それ以外にも佐原健二、千石規子、沢村貞子、新珠三千代、アイ・ジョージ、淡路恵子、池内淳子、伊東ゆかり、香川京子、加東大介、草笛光子、桜井浩子、宝田明、仲代達矢、西村晃、舟木一夫、三木のり平、柳永二郎らも顔を見せているが、決して引けを取らない存在感だった。

この映画用に撮影されたものもあるのだろうが、自主トレやキャンプ、試合の映像は勿論のこと、試合中や試合前後のベンチ内やベンチ裏の映像は貴重。
どれくらい撮影期間があったのか、どの程度演出が入っていたのかは気になるところだが、長嶋以外の王や藤田、柴田らの素が垣間見られるのもファンには感泣モノだろう。
彼らのおそるべき棒読み台詞や、無表情、作り笑いも重畳。
善哉善哉。

それにしてもプロの俳優と互角に勝負し、『巨人の星』や『侍ジャイアンツ』その他の諸作品においてもフィクションの登場人物に埋没しないキャラクター性、改めて長嶋茂雄という人物の偉大さを感じた次第だ。


by odin2099 | 2025-06-04 22:08 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31