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『コンクラーベ/天使と悪魔』(2006)

『コンクラーベ/天使と悪魔』(2006)_e0033570_20310733.jpg公開中に実際にコンクラーベが行われたこともあり、異例のヒット作品となった『教皇選挙』
他にもコンクラーベを題材にした映画がないかなと探して見つけたのがこの作品で、日本でのDVDリリースは2009年。
邦題はこの年に公開され話題となった、同じくコンクラーベに材を採ったダン・ブラウン原作の『天使と悪魔』に肖ったものだろう。
『教皇選挙』とも『天使と悪魔』とも違い、現代を舞台にしたミステリー・サスペンスではなく、1458年にカリスト教皇が死去したことに伴う実際のコンクラーベを扱った歴史モノだ。

主人公のロドリーゴ・ボルジア枢機卿は、教皇の甥という理由から若輩ながら教皇に次ぐ高位に就いている。
ところが教皇の死去に伴い後ろ盾を失ったことで、一転して生命の危険にさらされる立場に置かれてしまう。
そんな中18人の枢機卿たちが集められ、次期教皇を選ぶ投票が始まる。
だが二人の有力な候補者に絞られたものの、両者とも過半数を獲得するには至らず投票は繰り返されてゆく。

両陣営の票の獲得工作は半ば公然の秘密となり、候補者同士も激高し汚い言葉を交わす局面も。
ロドリーゴにも当然ながら両陣営から誘いの手が伸びるのだが、どちらが真の教皇に相応しいのか。
はたしてロドリーゴが如何なる決断を下すのか、という物語だ。

どこまで史実に即しているのかはわからないし、二人の候補者の立場がどう違うのか、何故対立しているのかを理解するには多少なりとも歴史の知識が必要なようで、両者が何を巡って対立しているのか、二人の支持者たちは何を問題視しているのかは恥ずかしながら自分にはよくわからなかった。
ただそれでも金なり立場なりで票を買うという政治の薄汚い裏側や、その駆け引きの醜さは何時の時代でも不変だなとも感じた。

またロドリーゴといえばチェーザレ・ボルジアやルクレツィア・ボルジアの父親としても知られ、後に自身もローマ教皇(アレクサンデル6世)になるのだが、そういった背景も知っていればもっと映画を愉しめたのだろうと思うと少々残念に思う。

それにしても開巻すぐのロドリーゴと愛人(後にチェーザレやルクレツィアの母親のはず)とのSEXシーン、あれは必要だったのだろうか。
ラストではロドリーゴを待ち続けた健気なヒロイン的雰囲気を醸し出していたが、実際は途中でロドリーゴを小馬鹿にしていた司教(こちらは後の教皇ユリウス2世らしい)に誘惑されてベッドを共にしていたようだが。


by odin2099 | 2025-06-07 20:36 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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