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『新諸国物語 七つの誓い/黒水仙の巻』(1956)

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今を去る500年前、ヒマラヤの山麓にカラコジア王国という平和郷があったが、将軍オンゴの叛乱によって国王は殺され国は滅びた。その折、王が全世界から集めた莫大な財宝を埋めた地図を七つの十字架と一つの指輪に秘めたまま、忠誠なる首相トルハンと王国再興を誓った7人の家臣たちは王子と姫を護って脱出した。
それから100年の歳月が過ぎた足利将軍の世。
カラコジア国王の血を汲む姫は桜子と名乗って日本国にあり、7人の家臣たちの子孫にあたる高山伊織、夕月丸、杢助は姫の側に、カピ、ゲンジはネパールの国にいてそれぞれ時の来る日を待っていた。
首相トルハンの孫・五郎は日本人を母として生まれ、父を訪ねてヒマラヤ山麓を放浪中、山賊オンゴに捕らえられ城塞に閉じ込められていた父・トルハンと再会する。
そこで五郎は、七つの黒水仙の十字架を指輪に置き、裏の文字を綴れば財宝の謎は解け、その指輪は日本の飛騨に住む王の世嗣・桜子姫が持っていると教えられる。
同じ奴隷の中に十字架を持つゲンジの機転でトルハンと五郎は脱出するが、オンゴ一味に追いつかれ、再び囚われ奴隷船で日本の南端・はぐれ島に送られる。
そこはカラコジアの財宝を狙う幕府重臣・加賀爪丹波の秘密の鉄砲工場だった。
日本に渡る七つの誓い。
秘密の指輪を狙う入道一味。
桜子姫を救う黒覆面の正体は?
夢と冒険が絢爛と幕開く日本篇。

北村寿夫原作のNHKラジオドラマ<新諸国物語>の第5作を、中村錦之助、東千代之介大川橋蔵、伏見扇太郎、波島進、坂東蓑助、加賀邦男、千原しのぶ、丘さとみ、三笠博子、吉田義夫、山形勲、月形龍之介らの配役で三部作で映画化したものの第一部。
監督は佐々木康で、東映としては『笛吹童子』『紅孔雀』に続くシリーズ第3弾(1作目の『白鳥の騎士』は新東宝、4作目の『オテナの塔』は東宝がそれぞれ映画化している)。
主演は前二作に引き続き錦之助で、千代之介や橋蔵は(少なくてもこの時点では)助演格だ。

NHKで人形劇版の『笛吹童子』が放送されていた頃だから1978年のことだったと思うが、『白鳥の騎士』、『笛吹童子』、『オテナの塔』、『七つの誓い』、『紅孔雀』の5作の小説版が出版され、その時に読んだ記憶があるのだけれども、『笛吹童子』や『紅孔雀』のように人形劇化されたわけでもなかったので、ストーリーは全く覚えていなかった。

また、舞台はカラコジアという架空の外国と日本とに分かれている。
そのカラコジアは流暢な日本語が飛び交うものの、一応は異国情緒を漂わせているのに違和感があるし、場面が日本に切り替わるとこちらはこちらで浮いた感じもあって、見ていて何となく落ち着かない。

しかも出てくる人物が多い。
一応は王国を再興しようとする黒水仙の誓いに結ばれた同志たちと、王国の財宝を手に入れんと企む一味とに二分されてはいるのだが、それが二つの国に跨って対決している上に様々な人物が出会ったりすれ違ったり別れたり、そして色々な事件に巻き込まれていくという構成なので、膨大な情報を整理・消化していくので精一杯だった。
by odin2099 | 2025-06-14 15:05 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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