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『教養としての日本の城/どのように進化し、消えていったか』 香原斗志

戦国時代の城は空堀に土塁、それにせいぜい簡素な石垣で作られたものだった。
それを大きく変えたのが、織田信長が築いた安土城で、水堀に囲まれ、石垣が堆く積まれ、その上に櫓や壮麗な天守がそびえているという、今我々が城と聞いて思い描く姿はそこから始まった。
では信長の革新的発想はどこから来たのかというと、それは西洋からの影響だというのが著者の主張である。

『教養としての日本の城/どのように進化し、消えていったか』 香原斗志_e0033570_21212406.jpg宣教師などからもたらされたヨーロッパの城の話を聞き、そこに着想を得て形作られていったのが今日一般的な城のイメージだということだ。
更に朝鮮出兵での経験などを踏まえ、短期間で築城技術はどんどん進歩していく。
ところが鎖国政策で海外からの情報がシャットアウトされ、また幕府によって築城や増改築が著しく制限されると城の進化はピタリと止まり、気が付けば欧米諸国との差は大きく開いていったという考えは頷ける。

その流れに則って本書では第1章の「安土城」に始まり、「大坂城」、「小田原城」、「熊本城」、「姫路城」、「二条城」、「彦根城」、「名古屋城」、「江戸城」、「島原城と原城」、「丸亀城、宇和島城、高知城、松山城」、「松前城と五稜郭」と全部で12の章立てを行い、それぞれの城の見どころを簡潔に紹介している。
初心者向けの入門書ではないが文書は平易で読みやすいので、通ぶって城を攻略しようと思った際の旅のお供には良いのではないかと。

刊行が2023年2月ということもあり(積読状態だった…)、まだ熊本城倒壊が記憶に新しかったため(地震は2016年4月)、やや感傷的な記述が目立つ。
by odin2099 | 2025-06-26 21:24 | | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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