『愛の絵』 中野京子
2025年 07月 01日
西洋美術の歴史を通じて重要なテーマだった愛は、各時代、さまざまな形で表現され続けている。
当時の風俗、文学、神話、旧約聖書などから題材がとられ、画家のインスピレーションを刺激してきた。
その感情は、喜び、幸福、満足感をもたらして人々を惹きつける。
派生して、呪いや嫉妬、怒りも。
愛とはなにか、を考えさせられる作品を中心に解説する。
その絵の「読み方(読みとき方と表現した方が良いか?)」だけでなく、その絵が描かれた背景についても触れ、また聖書やギリシャ神話など日本人にはなかなか伝わらない”一般常識”についても解説してくれる一冊。第1章は「甘美な恋への憧れ」、第2章は「そして、狂気へ」、第3章「子どもをめぐる愛」、そして第4章は「運命の絆」という具合に章立てされているが、一口に”愛”といっても様々な形があるという当たり前のことを、改めて気付かせてくれた。
ティツィアーノ、ウォーターハウス、レンブランド、ブグロー、サンティ、ムンク、ルーベンス、クリムト、モリゾ、ボヌール、ミレー、ルノワール、ダヴィッド…etcetc
紹介されている絵画の三分の一くらいは知らない作品だったが、そんな素人でもわかりやすく読みやすい文章なのは有難い。
ただレイアウトの関係やページ数の都合もあるのだろうが、図版が小さいのが玉に瑕だ。





